認知症介護の日々明るく赤裸々に お笑いタレントにしおかさん、宇都宮でトークショー

ユーモアを交えて家族の介護を語るにしおかさん=23日午後、宇都宮市宿郷5丁目

 認知症の理解促進を目指すトークショーが23日、栃木県宇都宮市宿郷5丁目のベルヴィ宇都宮で開かれ、お笑いタレントのにしおかすみこさん(48)が家族を介護する日々を赤裸々に語った。

 にしおかさんは「SMの女王様」に扮(ふん)したキャラで人気を博した。認知症の母親、ダウン症の姉、酔っぱらいの父親、一発屋芸人の自分という家族の暮らしをユーモアを交えて描いたウェブ連載「ポンコツ一家」が話題となり、1月に書籍化された。

 登壇したにしおかさんは、新型コロナウイルス禍で実家に戻った当初は、母親の症状に気づかずに言い争いを繰り返すなどして疲弊したと説明。ただ、地域包括支援センターに電話相談すると「心が救われた」。徐々に暮らしに笑顔が増え、「いろいろな悩みがある人に笑ってほしいと思って連載を始めた」と振り返った。

 常に心掛けているのは「自分ファースト」だとし、「自分が一番元気で幸せじゃないと誰も幸せになれないから」と明るく語った。

 トークショーは認知症への不安や偏見をなくし、発症しても自分らしく生きる大切さを伝える「下野新聞認知症カフェプロジェクト」の一環。NPO法人「風の詩」(佐野市)の永島徹(ながしまとおる)理事長が聞き手となり、企業や自治体、福祉関係者ら約130人が耳を傾けた。

ユーモアを交えて家族の介護を語るにしおかさん=23日午後、宇都宮市宿郷5丁目

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