古文の単語 覚え方の提案で全国最優秀! 長崎南高3年生の4人 データ分析でも高評価 

最優秀賞に輝いた長崎南高の(左から)栗山さん、猪村さん、堺さん、森田さん=同校

 茨城県のつくば国際会議場で8月にあったコンピュータ利用教育学会(CIEC)が主催する「2023PCカンファレンス」U-18部門で、長崎県立長崎南高の3年生4人の研究班が最優秀賞を受賞した。4人は全生徒に貸与されたタブレット端末を使った新たな学習法を提案。優れたデータ分析や明快なプレゼンテーションなどが評価された。
 PCカンファレンスは、コンピューターを使った教育に関する成果と課題を持ち寄り、学びの発展と新たな「創発」を生み出す場。「変わる社会、変わる学習環境」が今年のテーマで、Uー18の部門には長崎南高を含む全国5校9チームが出場した。
 受賞したのは、栗山真幸さん、猪村美結さん、堺あゆみさん、森田陽菜実さんの4人。同校はスーパーサイエンスハイスクール(SSH)の指定校。4人はその一環として共同研究を進めてきた。発表では「1人1台端末の自主学習への活用-スケジューリングと個別最適化の学習効果について-」と題し、古文の単語の知識を定着させる学習法を提案した。
 研究では、タブレットに入れた学習アプリの単語帳機能と、正しい意味を選ぶ○×クイズを併用する学習法の実証実験を行った。延べ366人の生徒に小テストとアンケートに協力してもらい、統計学の手法を用いて学習の回数と得点の関係を分析。短時間の「見流す」学習を繰り返すことと成績の関係について、回数によって「統計的に有意な差がある」ことを明らかにした。
 栗山さんは「1年生の時、全員に配られたタブレット端末をどう家庭学習に生かすかという、前例の少ない研究が認められてうれしい」、堺さんは「説得力を高めるため高校では学ばないような統計学を使った。参考書で学んだり、長崎大学の教授らにアドバイスしてもらったりして、時間をかけたかいがあった」と喜びを語る。
 また、森田さんは「プレゼンテーションで自分たちの思いを伝えることができた」、猪村さんは「4人とも文系だが、サイエンスの研究は楽しく、収穫は大きかった」と振り返った。

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