世界遺産総数1199件に ユネスコ委員会が閉幕

 サウジアラビア・リヤドで開かれた国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界遺産委員会は24日、閉幕した。新たに42件を遺産登録し、総数は1199件になった。登録済み遺産の保全状況審査では、存続が危ぶまれる「危機遺産」にロシアの軍事侵攻を受けるウクライナの2件を指定。国内関連では「明治日本の産業革命遺産」(長崎など8県)など4件の保全の取り組みを確認した。

 1199件の内訳は文化遺産933、自然遺産227、双方の要素を持つ複合遺産が39。来年の世界遺産委では「佐渡島の金山」の文化遺産登録が審査される見通し。

 ウクライナの2件は「聖ソフィア大聖堂と関連する修道院群」と「リビウの歴史地区」。オーストラリアのサンゴ礁グレートバリアリーフやイタリア・ベネチアも危機遺産入りが取り沙汰されたが、見送られた。

 産業革命遺産は長崎市の端島(通称・軍艦島)などでの戦時徴用を巡る韓国との対立が続いていた。ただ委員会は「琉球王国のグスクおよび関連遺産群」や「知床」と併せて、日本の取り組みをおおむね評価した。

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