「野獣」松本さんに続け 県立武道館で柔道大会

出場選手に声をかける松本さん(中央)=県立武道館

  ●最多30チーム児童200人出場 会場で声援「みんなの自信に」

 松本薫杯第54回金沢少年少女柔道大会(北國新聞社後援)は24日、県立武道館で開かれ、北陸三県と長野県から過去最多30チーム約200人が出場した。ロンドン五輪女子柔道金メダリストで、本紙生活・文化面で「野獣の子育て」を連載する松本薫さん(36)=金沢学院大附属高OG=が見つめる中、選手は松本さんに追いつけ追い越せと気迫をみなぎらせ、熱戦を繰り広げた。

 松本さんは開会式であいさつし、「覚悟を決めて行動し、最後まで諦めずに頑張ることで自信が湧く。きょうの大会がみんなの自信になればいいと思う」と期待を込めた。

 大会は松本さんの功績を子どもに伝え、競技力の向上につなげようと2019年から松本さんの名を冠して開かれている。昨年から県外チームにも門戸が開かれ、予選リーグ1位のチームによるトーナメントの決勝では県営富山武道館(富山)が誠心館道場(長野)を4―1で破った。

 松本さんは約5時間半に及ぶ熱戦を本部席で見守り、選手に声援を送った。表彰式では敗れて涙する女子選手の肩を抱き、「もう泣かなくていいよ。本当に強くてかっこよかったよ」と励ます光景も。大会終了後はサインや写真撮影に気さくに応じ、所属するダシーズファクトリー(東京)のアイスクリームを出場者に手渡した。

 全日本少年団小松分団の嶋中環希さん(小松市稚松小5年)は「以前指導を受けたときのことを覚えていてくれて『また道場に行くね』と言ってくれた。強くて優しい憧れの存在」と笑顔を見せた。

 会場の県立武道館は松本さんにとっても子どもの頃に汗を流した思い出深い場所で「熱い戦いの連続で昔を思い出し、久しぶりに体が熱くなった。キラリと光る選手が何人もおり、将来が楽しみだ」と喜んだ。

 ▽1部トーナメント (1)県営富山武道館(富山)(2)誠心館道場(長野)(3)庄川スポーツ少年団(富山)、全日本少年団小松分団(石川)▽2部トーナメント (1)金井学園ジュニアクラブ(2)鯖江スポーツ少年団(3)柔整会教室、FKBクラブ(以上福井)▽3部トーナメント (1)中能登教室(2)北陸綜合警備少年教室(3)加賀聖武館、鶴来道場

 ◇KAORI賞 中村英(県営富山武道館)我妻優日南(誠心館道場)嶋中環希(全日本少年団小松分団)大井すず(庄川スポーツ少年団)五十嵐龍生(金井学園ジュニアクラブ)北野誠大(中能登教室)

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