第149回北信越高校野球県大会第10日(24日・金沢市の県立野球場=北國新聞社後援)準決勝が行われ、夏の甲子園に出場した星稜と航空石川が勝ち上がり、北信越大会(10月14日開幕、福井県)への出場を決めた。
航空石川は小松大谷を3―2、星稜は金沢学院大附を5―3と、ともに接戦を制した。北信越大会の出場は星稜は3季連続66度目(秋は8年連続36度目)、航空石川は4季連続12度目(秋は2年連続8度目)となる。
最終日の27日は午前9時から小松大谷と金沢学院大附の第3代表決定戦、午後1時から決勝が県立野球場で行われる。
●航空石川・加藤「なんとか塁に」 公式戦初アーチが同点打
航空石川は1点を追う五回、1死から1番・加藤一翔のソロアーチで同点に追いつき、5番・竹中清真の犠飛で1点を勝ち越した。中村隆監督が「あそこで流れが変わった」とたたえ、加藤は「なんとか塁に出ようといっぱいいっぱいだった。風もあったのでいったと思った」と公式戦初本塁打を喜んだ。
加藤は宮城県出身で中学時代は東北楽天シニアで腕を磨いた。夏はベンチ外だったが、今大会から背番号18を背負い、準々決勝までの全3試合で1番ライトで先発出場。それでも11打数3安打と本調子ではなく、中村監督も「スタメンにするか朝の打撃練習まで悩んだ」と明かす。
この日も本塁打以外は凡退し4打数1安打に終わったが、加藤は「少しだけどチームに貢献できてうれしい」と笑顔だった。
投手陣は五回から登板した2番手の蜂谷逞生が最速140キロの直球を武器に5奪三振無失点と好リリーフをみせた。小松大谷は三回までに2点をリードしながらも四回以降は三塁を踏むことができなかった。
●星稜・2番中谷が決勝打 スクイズ失敗から一転
星稜は3―3の九回に2番中谷羽玖(はく)がライトへ勝ち越し打を放つなど2点を奪い、北信越大会出場を決めた。準々決勝の無安打から一転、2安打3打点と大暴れ。「前の試合でも状態は悪くなかった。大一番で結果を残せてよかった」と胸を張った。
九回の打席は1死一、三塁。初球ストライクで2球目に山下智将監督が出したサインはスクイズ。しかし、ボールは外に大きく外され、なんとかファールに。2ストライクと追い込まれたが、6球目に捉えた打球は一、二塁間を抜け、塁上で何度もガッツポーズ。暴投で5点目のホームを踏んだ。
夏の甲子園に出場し、新チームの発足は8月中旬と他のチームより遅れたが、夏王者の意地で決勝進出。山下監督は「細かくつないで点を取っていく新チームの良さが存分に出た。投手陣もよく投げてくれた」とたたえた。
金沢学院大附は4番越村大也が5打数4安打、投手陣は継投で食らいついたが、あと一歩及ばなかった。