長崎県内の観光客は2490万人 2022年、前年より約3割増 旅行支援が後押し

長崎県内の観光客延べ数

 長崎県がまとめた2022年観光統計によると、県内の観光客延べ数は前年比567万人増(29.5%増)の2490万人だった。新型コロナウイルスの感染拡大によるまん延防止等重点措置の影響で低調になった期間もあったが、県の旅行割引や全国旅行支援が後押しし、2年連続の増加。県は「徐々に回復しつつある」とみている。
 延べ宿泊客数は632万人(前年比42.1%増)。3年ぶりに行動制限がない大型連休やお盆を迎えたことや、10月以降の全国旅行支援が奏功した。9月の西九州新幹線開業に伴うイベントや観光PRの効果もみられた。
 外国人観光客は、10月の水際規制緩和などにより回復傾向。延べ宿泊客数は前年比52.9%増の11万3千人だった。
 日帰り客は、1373万人(同20.8%増)。3年ぶりにあった波佐見陶器まつり(東彼波佐見町)など、各市町でのイベントも影響した。修学旅行の需要も好調で、主要観光施設の利用者が前年を上回った。
 観光客延べ数を地域ブロック別にみると、「長崎・西彼」が、前年比54.8%増の663万5千人で最も増加。グラバー園や長崎原爆資料館などの施設利用が大幅に増えた。コロナ禍の修学旅行の振り替え需要もあった。「壱岐」や、連続ドラマの舞台となったことなどが追い風となった「五島」も前年比40%以上増えた。
 観光消費額は2691億円(同44.7%増)。日帰り客の平均は7632円(同15.4%増)、宿泊客は3万3910円(同4.4%増)と、いずれも前年を上回った。
 県は「引き続き県内の周遊性を高め、リピーターや観光消費額を増やしていけるよう取り組みを進める」としている。

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