マウイ島山火事 僧侶が支援 寺院復興へ募金「縁を大切に」

募金活動をする佐賀教区浄土宗青年会の兒島寛祐会長(左)と橋口信呉副会長(中央)=大分市のJR大分駅前

 米ハワイ・マウイ島の山火事を受け、佐賀をはじめ九州各県の浄土宗青年会が支援に乗り出している。焼失した現地の寺院の復興に向けて大分市で行われた募金活動に県内からも僧侶が参加し、托鉢をしながら協力を呼びかけた。ハワイとの縁を大切にしながら、支援の継続を誓う。

 JR大分駅前で12日に行った募金活動には九州各地から約30人の僧侶が集まり、佐賀教区浄土宗青年会から兒島寛祐会長(唐津市)らが参加した。同会は2021年に開いた九州地区のオンライン研修会でハワイ開教区の石川広宣総監を講師に招くなど、ハワイとの関係を深めてきた。

 8月上旬に発生した山火事では、島西部の観光地ラハイナの浄土院も焼失した。石川さんによると、この寺院は1963年に建立され、68年に起きた本堂の焼失も乗り越えてから60年間、ハワイでの浄土宗の活動を支えてきた。原源照住職の熱心な姿勢に魅せられた人も多く、来客が絶えなかったという。

 石川さんは「とてつもなく大きな損失だが、本尊の阿弥陀如来像は無事だった。悲劇の中の一筋の希望に感涙した」と話し、「被災者が安心して復興に取り組める環境が必要」と義援金などの個人でもできる支援を呼びかける。

 兒島会長は「大変な火事の写真を見て、何か協力したいと思った。佐賀と縁があるハワイのために、これからも支援活動に取り組みたい」と話す。(上田遊知)

山火事で焼失したラハイナ浄土院

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