WTAが「パフォーマンスバイ」を試験的に導入。第3シードでも1回戦免除されず

WTA導入の「パフォーマンスバイ」が東レPPOで適用

9月25日に本戦がスタートした「東レ パンパシフィック オープンテニス(東レPPO)」(東京・有明/WTA500)。世界ランク2位のイガ・シフィオンテク(ポーランド)などトップ10から4名が出場する中、シングルスの組み合わせを見ると、見慣れない言葉がある。「Performance Bye(パフォーマンスバイ)」だ。

WTAによると、「パフォーマンスバイ」は、大きな大会が2週連続の場合、前週で勝ち残った選手の翌週大会への移動時間の配慮や、最初の試合までに十分な練習時間を確保することを目的に、「準決勝や決勝まで勝ち残った選手で翌週大会にも参加する選手は1回戦をBye(不戦勝)とする」というルール。

東レPPOが9月開催となって以来、これまで前週にWTA500以上の大会が開催されたことがなかったが、前週にはWTA1000という高いグレードかつ、日本から1万キロ以上離れたメキシコ・グアダラハラで大会が行われたことから、WTAとの協議の上にパフォーマンスバイを試験的に導入することになったという。

その結果、WTA1000グアダラハラ大会で準決勝進出者4名に適用。この中で今大会にエントリーしていた第4シードのマリア・サッカリー(ギリシャ/同6位)と第5シードのキャロライン・ガルシア(フランス/同10位)の2人が、「パフォーマンスバイ」となった。

そして、これにより通常のシード順による1回戦免除の数が2つに減少。第3シードのエレナ・リバキナ(カザフスタン/同5位)は、1回戦を免除されなかった。被害を受ける形となったリバキナは、インスタグラムのストーリーズで「土壇場でルールを変えてくれてありがとう。WTAはいつもいい判断をする」と皮肉交じりに投稿した。

なお、24日には契約するヨネックスのイベントに出席していたリバキナだが、体調不良で欠場に。「大会を棄権することになってごめんなさい。東京でプレーすることをとても楽しみにしていましたし、大好きな場所です。体調管理を優先しなければならず、100%に戻す必要がありました」とコメントを出している。

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