J1連覇を目指す横浜F・マリノス、鹿島アントラーズとの上位対決を制す!勝敗を分けたポイントは?

試合終了後に歓声が上がったのは、アウェーの横浜F・マリノス側だった。

リーグ戦ここ3試合勝ちがなかった前年度王者のF・マリノスが、今シーズンリーグ戦でのホームゲームにおいて4月15日のヴィッセル神戸(1-5)以来負けがなかった鹿島アントラーズを相手に2−1で勝利し、優勝争いに望みをつなぐ勝ち点3を獲得した。

前半は鹿島ペースだった。F・マリノスはビルドアップができず、守備の対応に追われていた。15分にセットプレーから鈴木優磨に決められた先制点は、マークのチェックをしっかりとしていれば防げた失点であり、これからに向けた課題になりそうだ。

先制点をとって勢いづく鹿島はハイラインの裏をつく攻撃で、何度もF・マリノスの守備陣を脅かす。また、前半セカンドボールはほぼ鹿島が奪取しており、F・マリノスはボールが拾えずに苦戦を強いられていた。

だからこそ、苦しんでいた中でとれた34分のアンデルソン・ロペスのゴールはチームにとって大きなものだっただろう。この同点弾をきっかけにF・マリノスがペースを掴み始めたところで前半が終わった。

後半F・マリノスは序盤からボールを握り、攻撃のチャンスを作っていく。50分に決まったアンデルソン・ロペスのゴールは人数をかけて点数をとりにいくF・マリノスらしさが見えた逆転弾だった。

点を取った後でも攻め続ける姿は、昨シーズンまでのF・マリノスを彷彿とさせた。鹿島も猛攻を仕掛けたが実ることなく、結果的に敗戦を喫している。

勝敗を分けたポイント

勝利したとはいえF・マリノスにはまだまだ課題がありそうだ。

後半をなんとか無失点に抑えたものの守備は決して安定しているとはいえず、攻撃陣も停滞していた前半のような戦い方をしていればこの結果にはつながらなかっただろう。立て直したケヴィン・マスカット監督は勝負勘を取り戻したのかもしれない。

ただ、この試合で何より大きかったのが怪我で戦列を離れていた角田涼太朗とヤン・マテウスが調子を取り戻し始めたことではないか。前半は中々本来のプレーが発揮できなかったが、試合が進むにつれてだんだんと本来の姿を取り戻してきた印象があった。

次節のヴィッセル神戸戦に向けてしっかりと調整できれば、首位攻防戦でアドバンテージを得ることも可能だろう。ここからの正念場をどう乗り切るかが優勝への鍵となる。

一方の鹿島は大逆転優勝を目指す中で痛い敗戦となった。

間違いなくいい試合はできていた。復帰した柴崎岳が前半は素晴らしいゲームメイクをみせ、先制点も奪った。後半も良い形でテンポよく攻められていたが、最後は決定力に悩まされた。78分のアルトゥール・カイキ、93分の鈴木優磨の決定機を決めきれなかったのは痛恨だった。

守備に関していえば、ロペスに決められた2失点は防げたはずだ。

同点ゴールはコーナーキックを繋がれて最後は押し切られてしまった。ヤン・マテウスにしっかりとチェックに行けていれば、中央に放り込まれることもなかっただろうし、ボールを揺さぶられたことで安西幸輝がマークを剥がされてしまい、若干余裕がある状態でロペスに打たせてしまったのが原因だろう。

2失点目は枚数は揃っていたが、かなりラインを低くとったことでヤン・マテウスへのプレッシャーが遅れ、ロペスをマークしていた樋口雄太がボールウォッチャーになり簡単に剥がされて詰められてしまった。守備の詰めの甘さが露呈した形になった。残り6試合をどのように戦うのかに注目だ。

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今シーズンの明治安田生命J1リーグも残り6節。優勝争いを演じる両チームがここからどのような戦い方を見せるのか。最後まで目が離せない。

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