来年3月16日に開業する北陸新幹線金沢―敦賀間の終着駅となる敦賀駅の建築工事が完了し、同区間に新設される6駅すべての建築工事が終わった。建設主体の鉄道建設・運輸施設整備支援機構が9月25日発表した。26日には同区間で行われている走行試験で、JR西日本の北陸新幹線用車両「W7系」が初めて福井県内の営業区間を走行する。
⇒北陸新幹線金沢ー敦賀間の走行試験スタート、イーストアイが福井県内初入線
敦賀駅の建築工事完了は9月14日。3階に新幹線ホーム、2階に乗り換えコンコース、1階に在来線特急ホームが整備され、高さ約37メートル、幅約44メートル、ホーム延長312メートルと整備新幹線の中でも最大規模を誇る。エスカレーター26基、エレベーター6基、乗り換え改札機19台を備え、新幹線と在来線を結ぶ乗換駅として利便性に配慮している。
同駅の大屋根は敦賀市の鳥「ユリカモメ」が翼を広げた姿をイメージ。船の甲板を模した木調タイルで仕上げたホーム床など、港町らしさが随所にちりばめられ、新幹線ホーム階からは敦賀湾を望むことができる。今後、券売機の設置工事など、仕上げ工事に入っていく。
W7系の走行試験は最高時速110キロで走行する予定。段階的に速度を上げ、11月下旬には金沢―敦賀間の最高設計速度の260キロに達する見通し。
営業運転と同じ12両編成のW7系が9月26日未明、白山総合車両所(石川県白山市)を出発。金沢、小松、加賀温泉の各駅を経て、福井県内入り。芦原温泉、福井、越前たけふ、敦賀の各駅に停車し、敦賀車両基地へ入る予定。
金沢―敦賀間の走行試験は23日に始まり、初日はJR東日本の新幹線電気・軌道総合検測車「イーストアイ」が線路や架線を検査。25日朝も敦賀車両基地を出て、白山総合車両所へ向かった。走行試験は12月9日までのうち約40日間、1日1往復程度のペースで行われる。