“C判定”なら新品の半額で学生服が手に入ります!制服専門店が中古品ブランド立ち上げの理由【SDGs】

学生生活に必須の制服をリユースしようという取り組みが静岡県内でも広がっています。静岡県磐田市の制服専門店が9月、立ち上げたのは中古品のブランド。学生やその家族を支えたいという思いから生まれました。

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磐田市の「制服のキンパラ」。市内の高校に通っていた男性が持ち込んだのは、6年前まで自分が身に着けていた学生服です。

<制服のキンパラ 栁井ほのかさん>
「テカリとかも特になさそうですね。きれいだったので、一応“C”の判定で出させてもらいました」

9月から始めたのは、中古学生服の買取です。

<制服のキンパラ 金原周平社長>
「お客様の声として、もう少し安い制服がないのとかそういった声もあったもんですから」

創業89年の制服のキンパラでは、店舗のリニューアルに合わせて中古品の新ブランド「リパラーレ」を立ち上げました。学生服専門店が中古品を一緒に扱うのは国内でも非常に珍しい取り組みです。

<制服のキンパラ 金原周平社長>
「うちの取引先の高校とかでも、SDGs部とリサイクルの取り組みをしたりとか、そういった活動もしておりますし、そういった意識の高まりを感じています」

買取の際に主にチェックするのは6項目。商品の状態に合わせてA~Dまでの4等級に分類して買取価格が決まります。

新品とC級に分類された制服を比べてみると…。

<制服のキンパラ 栁井ほのかさん>
Q.どこが悪いんですか?
「3年間着ていたので、生地のヨレがあったりとか、タグとかも少し劣化していたりしていたので(C級の方になっています)」

<清水英之記者>
「ざっくり見てですよ。確かに疲れているかなって気はするけど、まったく変わりませんね」

買い取った制服は傷やほつれなどを自社工場で修理します。

新品だと上下セットで39,600円が、C級品の中古品は19,800円。新品の半額です。最終的にはクリーニングを施し、できる限り新品に近い状態で店頭に並べます。

この取り組みの背景にあるのは、未来ある学生やその家族をサポートしたいという思いです。

<制服のキンパラ 金原周平社長>
「支払いが困難なお客様も毎年いて、商品を納めた後に、ちょっと支払いの相談を受けるようなケースもあったものですから。なんとかならないのかなという意識は常に持っていた」

ただ、中古の制服はまだ認知度が低く、情報が少ないのが現状です。この問題を解消する動きも進んでいます。

<ミライ制服すすめ団 夏目はるな団長>
「困りごとがあったら、お互い助け合って情報交換する場っていうのを作りたいですね」

浜松市に住む夏目はるなさんは、2022年、PTAなどが主催する中古制服の販売情報のプラットホームを立ち上げました。どこに行けば、欲しい中古の制服を買うことができるのか。情報を共有することで中古品への抵抗を減らし、選択肢を広げるのが狙いです。

<ミライ制服すすめ団 夏目はるな団長>
「これはリユースで済むなとか、これは新品でもいいなとか、それからこれはネットでも買えるなということがわかるようになると思います」

3年間で捨てられるよりも長く着てほしい。学生服の寿命を延ばすことは、環境への負荷を減らすことにつながります。

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