核ごみ関連施設 長崎・対馬市議の視察旅行 「条例違反」と指摘 反対派の市民が調査請求

 長崎県の対馬市議の一部が、原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分選定事業を担う原子力発電環境整備機構(NUMO)の費用負担で視察旅行をしたのは市政治倫理条例に違反するとして、市民が25日、初村久藏議長に同条例に基づく調査請求をした。
 市議会は12日の本会議で、調査受け入れを促進する請願を採択したが、反対派市議が青森の関連施設などへの視察について「NUMOが旅費の大部分を負担しているのは、同条例に違反するのではないか」などと指摘していた。
 請求者は反対派団体「核のごみと対馬を考える会」代表の上原正行氏。請求書では同条例が禁止する「企業団体などからの寄付および金品の授受に当たる」と主張している。有権者962人分の署名を添えた。
 調査請求の対象者は促進請願に賛成した10人。上原氏は「議員としての職業倫理に、一点の曇りもないかを審査してほしい」と話した。
 対象となった市議の1人は「弁護士に相談した上で問題ないという認識だ」、NUMOの担当者は「最終処分事業の理解促進が目的。利益供与には該当せず、法令違反には当たらない」とそれぞれ説明した。

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