川勝知事の“給与返上”条例案 県議会で追及 自民党会派から厳しい追及も(静岡県)

いわゆる“コシヒカリ発言”をめぐり、川勝知事が提出した給与などを返上する条例案について、静岡県議会では自民党会派から厳しい追及が。知事は返上が遅れたことについて「強い思い込み」が原因だったと答えました。

県議会9月定例会では、26日から各会派の代表質問が始まりました。最大会派である自民改革会議を代表して、杉本好重県議が、知事の給与返上問題などについて質問しました。

(自民改革会議 杉本 好重 県議)

「金銭によって県民感情を和らげようという知事の意図を感じずにはいられません」「“コシヒカリ発言”に対する県民への責任を果たしたと考えているのか」

(川勝知事)

「給与返上のみをもって、県民や県政への責任を果たせるものではないとも考えております」「全力で職責を全うすることが私の務めであると申し上げました。この職責が全うできなければ、いつでもやめる覚悟であることも申し上げました。今もこの考えに変わりはありません」

この問題の発端となったのは、2021年に行われた参院補選の応援演説で、川勝知事が発したいわゆる「コシヒカリ発言」でした。

(川勝知事)

「あちら(御殿場市)はコシヒカリしかない。だから飯だけ食ってそれで農業だと思っている」

この発言をめぐり、川勝知事は「自らペナルティを課す」として、その年の12月の給与やボーナス、約440万円を返上する意向を示していました。しかし、その後、返上に必要な条例案の提出を見送っていて、給与やボーナスを返上していないことが発覚。批判が相次いだことなどから、川勝知事は、問題発言から2年近く経った9月、ようやく給与返上のための条例案を県議会に提出しました。川勝知事は、これまで給与を返上しなかった理由を「議会の理解が得られなかったため」と話していて、自民党会派などから強い反発を受けていました。杉本県議は、返上が遅れたことについて「知事が議会の責任ともとれる発言をした」と強く非難すると…

(川勝知事)

「辞職勧告を受けている身では、給与の返済あるいはボーナスの返上のご審議は極めて厳しいと、自らそう思い込んでいました。理由の一つはコミュニケーションの不足があるかと思う。今回条例案を説明に上がって、いろいろアドバイスも頂戴する機会があり、コミュニケーションの不足は極めて反省すべきだと思った」

返上のための条例案提出が遅くなったことについて「自身の思い込みが原因だった」と認めました。県議会では27日 以降も、知事の給与返上問題についての質疑が予定されています。答弁の内容次第では、知事が総務委員会に呼ばれ、改めて説明を求められる可能性もあるということです。

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