「人を喜ばせ笑顔にしたい」2023年でオープン65周年「熱川バナナワニ園」メインを“バナナとワニ”にした理由

オープンから65周年を迎えた静岡県東伊豆町の「熱川バナナワニ園」。なぜ、バナナとワニなのか?そして、65年間続けられた秘訣を探りました。

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<青木隆太アナウンサー>
伊東駅から伊豆急行でおよそ30分、伊豆熱川駅から徒歩1分の場所にあります「熱川バナナワニ園」にお邪魔しています。きょうはこの園の魅力を副園長の神山さんと一緒にお届けしていきます。よろしくお願いします。

<熱川バナナワニ園 神山浩子副園長>
お願いします。

<青木隆太アナウンサー>
園内は15種類、およそ100頭のワニを飼育しているんですが、まず目に入ってくるのがこの横長の水槽ですね。

<熱川バナナワニ園 神山浩子副園長>
本当にワニを間近でご覧いただけるのが最大の特徴です。

<青木隆太アナウンサー>
プカプカと浮いていて、かわいらしいワニもいればですよ。こちら見てください。これぞクロコダイルというような大きな迫力のあるワニもいます。コロナ禍もあって65年大変だと思いますけど、今のお客さんの様子はいかがですか。

<熱川バナナワニ園 神山浩子副園長>
ようやく皆さんにお越しいただけて本当に嬉しく思っております。

<青木隆太アナウンサー>
たくさんのお客さんが訪れているんですが、この夏、目玉となるワニがいます。珍しいワニ、白いワニの希望ちゃんになります。きょうは特別にですね、餌やりを見学させていただきます。お願いします。迫力あります。がっちり挟んで、はなさないですね。

<熱川バナナワニ園 神山浩子副園長>
最初は緊張してたんですけれども、だんだん慣れて、今本当に元気いっぱいで餌もよく食べます。

<青木隆太アナウンサー>
突然変異で生まれた、白いワニだということです。さあ現在他にもレッサーパンダや亀なども飼育しています。様々な工夫で乗り越えてきた65年VTRで振り返ります。

いまから65年前、1958年9月に開園した「熱川バナナワニ園」。1958年(昭和33)、長嶋茂雄さんが巨人軍でプロデビューし、東京タワーが完成した年です。なぜ、主役がバナナとワニになったのでしょうか。

<熱川バナナワニ園 神山浩子副園長>
「祖父は戦争に行っていて、戦争から戻ってきて、人を喜ばせることをしたいっていうので、当時バナナは高級品だったので、バナナを作る園を作ったら、みんなが笑顔になるんじゃないかということでバナナを育てることにしたみたいです」

創業者で初代園長の木村亘さんがつくろうとしたのは、当時では珍しく、高級品だったバナナのテーマパーク。動物商から「バナナだけでなく、ワニも一緒に展示してはどうか」とアドバイスを受けたことで、ほかに類を見ないユニークなスポットが誕生したのです。

現在、園で栽培するバナナは30種類以上。新鮮なもぎたてのバナナが販売されているほか、パパイヤなどの南国のフルーツも楽しめます。ワニ以外の珍しい動物にも出会えます。

1969年、熱川バナナワニ園にやってきたアマゾンマナティの「じゅんと」。50年以上、ここで暮らす「じゅんと」の名前の由来は、アマゾンマナティの生息地ブラジルのことばで「一緒に」という意味だそうです。

<じゅんとを48年間世話をする 横山宏明さん>
「小さな目と、それに人魚と言われてるんですけど、朝入って、夕方閉園するまでずっと、このマナティのところから離れないお客さんもおります」

国内では、ここでしか見られない動物もいます。熱川バナナワニ園で飼育するレッサーパンダはニシレッサーパンダ。一般的に国内で飼育されるレッサーパンダは、中国のシセンレッサーパンダで、ニシレッサーパンダはヒマラヤに生息する珍しい種類です。

9月で開園から65年を迎えた熱川バナナワニ園、65年間、続けてこられた秘訣については。

<熱川バナナワニ園 神山浩子副園長>
「動物や植物をどういうふうに見せたら、いきいきと見ていただけるかとか、小さい子が興味を持てるような形に少しずつ改装している」

開園50周年をきっかけに着手したのが「ワニの展示方法」。超至近距離で水中でのワニの様子を観察できるように、ガラスの水槽に変えるなど工夫を重ねてきたということです。

また、ワニやバナナを育てるために温室やお湯が常に求められますが、そこに熱川温泉の湯やその熱を利用することで、光熱費は本来かかるであろう額の10分の1程度に抑えられているそうです。

光熱費を格段に安く抑えられたことも65年続けられた理由のひとつと神山副園長は振り返ります。

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