横山大観の絵修復、CFで募る 熊本県所蔵、劣化激しく

横山大観のびょうぶ絵「雲去来」(熊本県立美術館蔵)

 熊本県は26日、県立美術館が所蔵する横山大観のびょうぶ絵「雲去来」の修復費1460万円を、ふるさと納税制度を使った「ガバメントクラウドファンディング」(GCF)で集めると発表した。10月3日から12月31日まで。

 美術館によると、絵は1917年に制作。墨の濃淡やぼかしで、雨に煙る琵琶湖や雲が山間を行き来する景色を描いているが、経年劣化で表面にシミや汚れが生じている。

 県は2008年、所蔵美術品の修復などに充てる基金を設立。14年度までに計約3億2千万円の寄付が寄せられたが、23年3月末の残額は約3400万円に。

 熊本地震や豪雨で、美術品への寄付が集まりづらくなったという。

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