W7系、やっと来た 南加賀で走行試験

小松駅から加賀温泉駅に向かう営業用車両「W7系」=26日午前4時7分、小松市土居原町

  ●加賀で11月まつり

  ●コマツナイン好調

 来年3月16日の北陸新幹線金沢―敦賀開業に向け、営業用車両「W7系」を使った走行試験が26日、始まった。延伸区間を営業用車両が走るのは初めて。未明の南加賀を疾走する新幹線を「やっと来た」と沿線住民らが見守った。加賀市が11月3~5日に加賀温泉駅周辺で開業記念まつりを開催するなど、沿線自治体は開業機運の盛り上げを図っていく。

 試験は、新幹線施設の工事を担う鉄道建設・運輸施設整備支援機構とJR西日本が、走行に関わる設備やシステムに支障がないか確かめる目的で行った。W7系が延伸区間約125キロを最高時速110キロで走行し、トラブルや異常は確認されなかった。

 W7系は午前2時26分に白山総合車両所を出発し、金沢駅を折り返して敦賀方面へ向かった。小松駅、加賀温泉駅、福井県内の芦原温泉、福井、越前たけふ、敦賀の各駅を経由し、同7時57分に敦賀車両基地に入った。車体は10月1日に小松、加賀温泉の両駅で催される歓迎セレモニーで披露される。

 11月に開かれる加賀市の加賀温泉郷開業記念まつりでは、提灯(ちょうちん)行列やランタンを夜空に浮かべる催し、ステージイベントなどが予定されている。宮元陸市長は「歓迎セレモニーをはじめ、どんどん開業の雰囲気を盛り上げたい」と話した。

 小松市は北陸新幹線小松駅と小松空港を結ぶ自動運転バスの営業開始を目指す。市はバスの試験走行に合わせ、子どもたちの試乗希望者を公募する。

 小松駅高架下には18日、市観光交流センター「Komatsu九(コマツナイン)」が開業した。カフェと小松土産(とさん)店の利用客はいずれも1日100組超と好調で、宮橋勝栄市長は「開業へ一つ一つのステップを着実に踏んでいく」と述べた。

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