石井さやか「不完全燃焼で終わってしまい悔いが残る」
今年3月にプロ転向を決めた石井さやか(ITFジュニア世界ランク6位)は、USオープンで日本人トップの第3シードとして臨み、シングルス3回戦でイギリス選手に敗れベスト16でジュニア最後のグランドスラムを終えた。
今シーズン、石井は1月の全豪オープンジュニアで単複4強入り。全仏オープンではダブルスでベスト4、ウィンブルドンでは単複ベスト8、USオープンではベスト16と、グランドスラム初出場となった昨年の成績を上回った。
また、今年3月にはプロ転向。ヘルスケア会社のユニバレオと所属契約を結んだ。その記者会見では、父でありプロ野球・横浜DeNAベイスターズでチーフ打撃コーチを務める石井琢朗氏を前に、「今までお父さんの娘が石井さやかと言われてきたけど、これからは石井さやかのお父さんがプロ野球選手だったとなるように頑張ります。自信はあります」と意気込みを語った。
2021年9月に練習拠点をアメリカ・フロリダのIMGアカデミーに移し、今年で3年目を迎える。ジュニア最後の大会、そして海外遠征を通じて感じた日本人との違いなどの話を伺った。
――今年のUSオープンを振り返っての感想をお願いします。
昨年は1回戦負けだったのでそれよりはいい結果は出たのですが、正直納得がいかなくて…。不完全燃焼で終わってしまい悔いが残るところはあります。
――その納得いかないというのは何でしょうか。
自分のいいプレーが出せなかったというのがひとつあります。勝ち上がれなかったことも悔しいですね。
――練習したことが出せなかったのでしょうか。
そうですね、ちょっと出せていなかったと思います。
――石井選手自身が、ここを改善していたら流れが変わったかもしれないポイントがいくつかあったと思います。戦略的なことやプレー面でありますか。
ミスが増えてしまっていていたのが良くなかったです。自分の流れの時に途切れさせてしまい、いい形に持っていけなかったと思います。というのも、7月のウィンブルドンで右足首を捻挫してしまい、しばらくテニスができていませんでした。それもあり、自分の思うように足を動かせていなかったと思います。
――コーチとは対等に話をしたりする姿を見ました。日本にいる時と現在の自分で違いのようなものはありますか?
IMGアカデミーでトレーニングをするようになって今年9月で3年目になります。日本にいた時よりルームメイトはいますが、基本的に1人で生活しています。両親は日本に住んでいますし、アメリカでは1人でやらなければいけないことも多く、日本にいた頃よりも自立していると思います。
――良い意味で自由があるように思いますが、誰かが何かを自分のためにやってくれることもなく、時間の使い方、何を食べるか、誰と練習するかまで海外での暮らしは決断の連続ではないかと想像しています。
海外の人は自分の意見をハッキリ言いますし、もし私がやりたいことがあればコレ!コレ!とちゃんと伝えるのが前提で、コーチが動いてくれます。言わないとやってくれないし、自分の意思を伝えないといけません。正直に言い合えるというのは私にとってはやりやすいですね。遠慮なくハッキリ言えるというところはいいと思います。
――ここまでのテニスの経過を始めたきっかけから教えてください。
始めたきっかけは、姉がやっていたからです。私が8歳、小学1年か2年生の時に初めて試合に出た時に久保杏夏さん(安藤証券)にこてんぱんにやられてしまい、そこから勝ちたいなと思いました。
――そしてここに来るまでにタフな練習をこなしてきたから今の石井選手がいるのだと思います。
正直、練習は嫌いでしたね(笑)試合は好きですが…。
――今、ツアーで目標にしている選手を教えてください。
(アリーナ・)サバレンカ選手です。
――そのサバレンカに近づき、追い越すためにこれからの石井選手の強化ポイントがあれば教えてください。
自分のフォアハンドの強さは武器だと思っています。そこは負けないところなので、もっと強くして生かしていきたい。これからよりタフな試合をしていくと思うのですが、勝ち切るというメンタルの強さを積み上げていきたいです。
――石井選手が海外の選手と対戦をして感じた日本人選手との違いなどあれば教えてください。
「気迫」です。どちらも(日本と海外)良いのですが、日本人は少し謙虚で控えめなところがあります。その点で日本人は気迫負けしてしまうことがあり、逆にアメリカやヨーロッパの選手は試合中に自分を鼓舞して気持ちを上げていき、その気迫が前面に出てきている感じがあります。
――それでは石井さやか選手のファンの皆様へ一言お願いします。
まだまだ未熟ですが…ジュニアのグランドスラムはこれが最後となりましたが、これから絶対に強くなってグランドスラムの舞台で戦えるようにしていきます。目標はグランドスラム優勝です。応援をよろしくお願いします!
――石井選手の今後のご活躍を楽しみにしています。
石井さやか
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