スーパーなど一般向けに販売強化 鹿沼市学校給食パン工房、新たな収入源確保へ

販路拡大に向け、新たに導入したパン製造機=鹿沼市内

 栃木県内小中学校の学校給食のパン製造を手がける鹿沼市学校給食パン工房(鹿沼市野沢町、若林敬志(わかばやしひろし)社長)が、スーパーなど新たな販路の開拓に乗り出した。少子化や原材料費の上昇など取り巻く環境が厳しい中、小売りにも注力し、収益源にしたい考えだ。

 同社は県内の小中学校約100校に、コッペパンや食パン、米粉パンなどを納入している。現在は売り上げの9割が学校給食向けという。

 学校給食は取引が安定しているものの、少子化で年々、納品数が減少傾向にあり、さらに近年の原材料高などで利益確保が厳しくなっているという。新型コロナウイルス禍では、学校休校によりパンを納入できない状況にも直面し、一般向けの販売強化を決めた。

 一般向けとして現在、県内の直売所や一部の道の駅などで販売しているが、今後はスーパーなどの販路も開拓していく。天然酵母を使用した健康志向のパンやフランスパンなど、ニーズに応じて製造していく考え。

 自社で店舗を構えることも視野に入れる。8月に生地を分割、計量、丸めるといった工程を自動で行う機械を新たに導入した。

 若林社長は「顧客のニーズを見極めながら、いろいろなことに取り組んでいきたい」と話している。

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