日光の希少米「しゃりまんてん」精米施設が完成 ブランド「全国に広めるための一歩」 JAかみつが

粉川市長(右から3人目)、青木組合長(同4人目)らが出席した完成披露式

 【日光】JAかみつがは26日、針貝低温倉庫に建設を進めていた市独自のブランド米「しゃりまんてん」の精米施設の完成披露式を行った。食味の優れたコメをよりすぐり、市内産コシヒカリ全体の1%未満しか認定されないという希少ブランド。JAや市が進める販路拡大・ブランド化事業のスタートに、関係者は「しゃりまんてんを全国に広めるための一歩」と期待を寄せた。

 完成した新施設は建屋が約38平方メートル。毎時600キログラムを精米する精米機を設置した。完成披露式には同JAや市関係者らが出席し、テープカットを行った。

 しゃりまんてんは25年ほど前から同JAが販売。集荷したコシヒカリの水分やタンパク質含有量などを食味計で計り、平均で72~73の数値で「おいしいコメ」とするところ、77~78を計測したコメだけを選別している。同JAによると、市内産コシヒカリの生産量は年間約7200トン。そのうち、しゃりまんてんは昨年、1.5トンしか販売されなかったという。

 現在は一部を除き同JAの直売所でしか購入できないため、同JAは2年前にプロジェクトを立ち上げ、販路拡大を模索。市もブランド力強化を狙い精米設備の導入を予算化するなど、支援してきた。

 今後は市内の宿泊施設やネット販売などで販路を広げる計画で、完成披露式で同JAの青木孝雄(あおきたかお)組合長は「JAと市が一緒になり、しゃりまんてんを全国に広めようという事業が、今ここに始まった」と強調。粉川昭一(こなかわしょういち)市長も「広く流通させ、日光のコメの認知度、価値を高めることを期待している」とあいさつした。

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