大の里をもっと知って 金沢の理容店、応援コーナー 大相撲十両 髪型の変遷を紹介

今年1月、アマ横綱の報告に訪れ、六郷さん(右)と写真に納まる大の里(六郷さん提供)

 大相撲秋場所での快進撃が注目された大の里(津幡町出身、二所ノ関部屋)のさらなる活躍を後押ししようと、大の里行きつけの理容店「理容ヒロシ」(金沢市大和町)が店内に応援コーナーを開設した。店主の六郷裕(ろくごうゆたか)さん(57)はスポーツ刈りからツーブロック、丸坊主とヘアスタイルを変えていった大の里について「髪型の好みは変化しても誠実な人柄は変わらない」と話し、多くの人に魅力を知ってもらおうとアマ時代の写真などを並べている。

 理容ヒロシには元々、大の里の父知幸さん(47)が通っていた。大の里は高校時代、石川県外の下宿先から帰省した際に知幸さんと一緒に初めて来店し、その後は夏休みや冬休みで実家に戻るたび父子2人で足を運ぶようになった。

 大の里は高校生の頃はスポーツ刈り一辺倒だったが、大学に入ると好みに変化が。上の方の髪を長く残して横の部分を刈り上げるツーブロックになり、六郷さんは「この頃、おしゃれに目覚めたんですよ」と振り返る。

  ●覚悟の丸刈り

 大の里は顔そりがお気に入りで「六郷さんのは特に気持ちがいい。ありがとうございます」と毎回感謝の言葉を忘れなかったという。「礼儀の正しさはずっと同じ。本当に好青年なんです」

 最後に髪を切ったのは今年3月、二所ノ関部屋に入門する直前だった。丸刈りにしてほしいと頼まれた六郷さんが「まげを結うのに髪を伸ばさなくていいの?」と聞き返すと、大の里は「気合を入れたいので」と答えたという。

 いつも笑顔の大の里が、この時ばかりは真剣な表情だったといい、六郷さんは「勝負の世界に飛び込む覚悟を感じた」と話す。

  ●アマ横綱を報告

 店内の応援コーナーには、大の里の十両昇進を祝うメッセージや来店した際に撮影した写真を掲示した。2022年12月に全日本相撲選手権で2連覇を達成した後、今年1月にトロフィーを持って来店し、優勝を報告した際の1枚などが並ぶ。

 コーナー開設をきっかけに、来店客と相撲談議に花が咲くことが増えた。六郷さんは「9月場所の好成績で注目度もぐっと上がった。どこまで上に行けるか。みんなで応援したい」と話した。

理容店内に開設された応援コーナー=金沢市大和町

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