未明、歩道の光に気づき 「パパママいない」泣く3歳男児を男性警備員が保護 宇都宮南署が感謝状

川上署長(右)から感謝状を受け取った福田さん

 宇都宮南署は27日、栃木県警の「思いやり110番」を実践し未明に3歳児を保護したとして、栃木県宇都宮市宝木町2丁目、警備員福田好宏(ふくだよしひろ)さん(32)に感謝状を贈った。

 福田さんは勤務中だった21日午前2時10分ごろ、西川田6丁目の市道を乗用車で走行中、道路脇の歩道上で光るものに気が付いた。近づくと、1人で歩く半袖半ズボン姿の男児(3)を見つけた。光ったのはサンダルの反射材。すぐにUターンし、車から降りた。

 福田さんの姿を見た男児は「パパママいない」と、泣きながら駆け寄ってきたという。福田さんは「どこからきたの?」と声をかけ、110番した。寒さで体が震えていた男児を警察官が到着するまでの約15分間、車内にあった毛布をかけて保護した。男児にけがはなかった。

 自宅で寝ていた男児は未明に目を覚まし、外へ出たという。福田さんは「普段から視野を広く持つことを心がけている。困った人がいたらこれからも声をかけたい」と語った。

 川上俊之(かわかみとしゆき)署長は「近くに国道もあり、大きな事故になっていたかもしれない。深夜でも迷わず行動してくれて感謝している」とたたえた。

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