「ささいな変化見逃さず」 サガン鳥栖強化担当・片渕さん、子どもの指導法熱く 育成学テーマに「大人の弘道館2」

子どもたちの指導法について話す片渕浩一郎さん=鳥栖市の駅前不動産スタジアム

 佐賀藩の藩校・弘道館をモデルに、各界で活躍する県関係者が講師を務める「弘道館2」の特別講座「大人の弘道館2」が24日、鳥栖市の駅前不動産スタジアムで開かれた。サッカーJ1・サガン鳥栖でクラブ強化を担当する片渕浩一郎さん(48)が「育成学」をテーマに、子どもたちの可能性を広げるための指導法について熱く語った。

 片渕さんは鹿島市出身。1998年に当時JFLの鳥栖に加入し、2002年に新潟で現役を引退した。以降は新潟の下部組織の監督などを歴任し、19年から鳥栖のスタッフを務めている。

 片渕さんは自身の指導法について「かっこいい男にする」ことを意識しているという。「表面的ではなく、内面的なかっこよさを育むこと。向上心や思いやり、謙虚さを忘れることなく生活することでサッカーの成長にもつながる」と話し、心の成長がプレーにもいい影響を与えると説いた。

 子どもたちへの寄り添い方についてもアドバイスし、「出し手と受け手の信頼関係がないと言葉は伝わらない。服装や眉毛、トレーニング態度などのささいな変化を見逃さずに声をかけている」と強調。子どもたちの心に響く言葉をかけるには日頃からの関係性が重要だとし、「よかパスすんには、よか準備ばい」と佐賀弁で訴えた。

 県内の学校関係やスポーツ関係者ら約30人が参加。佐賀バルーナーズU-18の元安陽一ヘッドコーチ(42)は「目の前の相手に真しん摯しに向き合う大切さを改めて感じた。選手の成長につながるよう指導に生かしたい」と話した。(井手一希)

サガン鳥栖スタッフの片渕浩一郎さんが講師となり開かれた「弘道館2」=鳥栖市の駅前不動産スタジアム

© 株式会社佐賀新聞社