世界ジオ、白山で報告会  「世界知る意識必要」 4年後再審査へ、金大准教授ら

世界ジオパーク国際会議の発表内容を報告する参加者=白山市民交流センター

 国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界ジオパーク国際会議出席のため、モロッコ・マラケシュを訪れた田村敏和白山市長ら訪問団の報告会は29日、同市民交流センターで開かれた。田村市長らは現地での発表や交流、日本時間9日に起きたマグニチュード(M)6.8の地震などを振り返り、住民ら約100人が4年後の再審査へ向けた活動のあり方を考えた。

 田村市長は冒頭、地震について「犠牲となられた全ての方に深い哀悼の意を表したい」と述べ、マラケシュでの経験を生かして世界ジオパークの発展に尽力する姿勢を改めて示した。

 訪問団に参加した飯田義彦筑波大准教授、坂本貴啓東大特任助教、青木賢人金大准教授が、自身の発表内容を紹介した。青木准教授は今後について「白山を発信するだけでなく、白山を通じて世界を知る意識が必要になる」と説いた。

 池元勝市議会副議長は糸魚川や韓国・漢灘江(ハンタンガン)など、国内外のジオパーク関係者との交流について話した。市職員が地震後のマラケシュの様子や、アジア太平洋ネットワーク会議で行った白山手取川ジオパークのPR内容などを解説した。

  ●手取川の写真集紹介 市役所でQINO

 白山麓の山林の保護、活用に取り組む「QINO(キノ)」(東京)を主宰する高平晴誉(はるやす)さんは29日、白山市役所を訪れ、田村敏和市長に30日発売の写真集「ルーツオブ手取川」を紹介した。白山手取川ジオパークの世界ジオパーク認定を祝い、7月に行った「水リレー」の成果も報告した。中野進市議らが同行した。

  ●手取川沿い23キロ歩く 鶴来高生

 鶴来高の手取川歩行は29日、白山市の道の駅瀬女から同校までの約23キロの区間で行われ、全校生徒約230人が白山手取川ジオパークの魅力に触れた。生徒らは綿ケ滝や手取川河川敷を眺めながら歩き、豊かな水の恵みを体感した。

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