イオンレイクタウンで流れた話題曲、買い物客ら詰めかける じつは高校生ら演奏、性被害ない世界を訴える「許されないこと」

音楽の力で性犯罪や性暴力を抑止しようと演奏する県立越谷南高校の吹奏楽部員ら=26日、越谷市のイオンレイクタウン

 子どもや若者が性犯罪、性暴力の被害に遭う事案が後を経たない現況を踏まえ、埼玉県警少年課と越谷署は26日、越谷市の「イオンレイクタウン」で隣接する千葉県警と連携して啓発活動を実施した。県立越谷南高校吹奏楽部部員らが音楽の力で犯罪を抑止しようと、心のこもった演奏でエールを送った。

 部員ら約30人が一堂に音を奏で、話題曲などを披露すると、詰めかけた買い物客らは曲に合わせて手拍子や拍手を送り、生徒らの勇姿を見守った。同校2年で吹奏楽部の柴田友部長(17)は「性被害に限らず犯罪が減らない。音楽を通じ、もっと楽しい街になれたらと思って演奏した」。演奏後、同校吹奏楽部に警察から感謝状が贈られた。

 今回の啓発活動は「こども・若者の性被害防止のための緊急啓発期間」の一環。政府は8、9月の2カ月間、集中的に啓発活動を実施している。県警少年課補佐の唐仁原哲也警部は「性被害は許されず、断固たる姿勢で取り締まる。もし被害に遭った場合は警察に相談していただき、被害を見聞きした場合も連絡を」と呼びかけている。

 性犯罪の認知件数は2021年から増えている。今年1~6月で前年同期比64件増の249件。うち18歳未満も23件増の94件だった。啓発活動には約70人が参加し、啓発品の配布なども行われた。

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