北陸新幹線来たら福井ー関西・中京は運賃アップ…負担軽減を願う声にJR西日本社長の考えは?

定例記者会見を行うJR西日本の長谷川社長=9月28日、大阪市の同社本社

 JR西日本の長谷川一明社長は9月28日、大阪市内の本社で定例会見を行った。来年3月16日の北陸新幹線県内延伸後、福井と関西、中京方面を結ぶ料金が現行に比べて高くなる点に関し「企画切符などさまざまな割引施策を講じながら利用促進に努めていきたい」と述べた。

 JR西が22日発表した新幹線開業後の料金は、新幹線と在来線特急を乗り継いだ場合、福井―大阪間は7290円で、現行より1150円高くなる。最速の便を利用すると移動時間は現行に比べ3分短縮となるが、敦賀駅で乗り換えが生じる上に料金がかさむため、負担軽減を求める声が出ている。

 長谷川社長は、国土交通相に認可申請した料金はあくまで正規料金だと強調した上で「現在も早期購入割引など、さまざまな切符を販売しており、なるべく利用者の負担がないように割引価格を別途検討していく」とした。企画切符などを年内にも発表する見通し。

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 また、JR西は敦賀開業に合わせ、新幹線と在来線特急の乗り継ぎ割引を廃止するが、敦賀駅で乗り継ぐ場合は激変緩和措置として独自割引を導入する。長谷川社長は「よほどの事情の変更がない限り、敦賀での乗り換えが基本である以上は(独自割引を)続ける」とした。

 一方、敦賀―新大阪間の整備に向けた財源確保に関する議論の加速化を求める声が福井県から上がっていることについて「ルートの確定と財政スキームがはっきりしないことには着工認可はない」とし、議論の進展に期待を込めた。一方で財源の大きな柱となる貸付料(JRが国に支払う線路使用料)の拡大に関しては「受益が増えない限りは拡大のしようがない」と述べ、慎重な姿勢も見せた。

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