新入社員に職業訓練/西北五の建設業界 「アカデミー」開校/若手確保へ 2カ月間の基礎指導

青森テクノアカデミー設立実行委の(左から)今一憲氏、山田委員長、小嶋英嗣氏

 志望者が減り続け、人手不足が深刻化する建設関連業界。若手人材確保や早期離職防止に向け、西北五地区の建設関連業者でつくる五所川原職業訓練協会(白戸新一会長)は来春、新入社員を対象にした2カ月間限定の短期職業訓練施設「青森テクノアカデミー」を五所川原市に開校する。同協会によると、同様の取り組みは東北初。

 大工と板金の二つの育成コースで同地区から希望企業を募り、4、5月の平日の計40日間、安全帯の使用法やくぎの打ち方といった基礎的な技術を企業に代わって教える。社会人としての心構えや労働基準法、職場の安全管理なども研修に盛り込み、新入社員に仕事への理解を深めてもらう。

 受講料は精査中だが、参加企業は国の助成金を活用できるため、企業の負担は「最小限に抑えられる」(同協会)見通し。助成金を活用するためには社会保険への加入などが条件となることから、多くの企業が参加すれば業界全体の労働環境の改善も期待できるという。

 同協会によると、同様の取り組みは東北以外では10カ所ほどで実施されている。こうした他県の例を参考に、3~4年前から独自のアカデミー創設の構想を練ってきた。

 テクノアカデミーは同市一ツ谷にある五所川原職業能力開発校を使用。他県では合宿形式で実施している例もあるが、同開発校には宿泊施設がないため、通学方式とする。

 初年度は2コースでスタートするが、将来的に電気工事、水道設備、左官、鉄工、鉄筋、多能工のほか、建設業以外の訓練育成コースも新設したい考え。

 青森テクノアカデミー設立実行委員長を務める山田真一同協会理事は「職人は『背中で覚えろ』と指導されてきた人が多く、しっかりとした指導を新人にできない人もいる。アカデミー開設で、厳しいという建設業のマイナスイメージを払拭し、地元で働きたいと思う若者が少しずつでも増え、地域の活性化につながれば」と話している。

 青森テクノアカデミーに関する問い合わせは同開発校(電話0173-34-2731)へ。

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