映画「花田ミキ」 宮下青森県知事にPR 五十嵐監督(青森市出身) 木野花さん、王林さんら出演

制作のきっかけなどについて説明する五十嵐監督(左)と宮下知事=2日、県庁

 青森市出身の五十嵐匠(しょう)監督(65)が2日、青森県保健師の草分けとして活躍した弘前市出身の花田ミキさん(1914~2006年)の生涯を描いた映画「じょっぱり-看護の人花田ミキ」のPRのため県庁を訪れ、宮下宗一郎知事に作品について報告した。五十嵐監督は「花田ミキの存在を広く県民に知ってもらい、青森から全国に発信したい」と語った。

 花田さんは弘前高等女学校(現弘前中央高校)を卒業後、盛岡赤十字看護婦養成所へ進み、日本赤十字社青森県支部の看護師となった。戦時中は従軍看護師として負傷兵の看護に従事。終戦後はポリオの集団感染から子どもを救うために奔走したほか、青森県の看護教育の基礎を築いた。

 五十嵐監督は宮下知事に、自身が幼少期に花田さんに命を救ってもらったエピソードを紹介した上で「花田さんは命の恩人で、恩返しの意味も込め、いつか映画にしたかった。映画館だけでなく、県内40市町村の公民館などでも上映したい」と述べた。これに対し宮下知事は「映画を見て看護師を目指す子どもたちが増えてくれたらいい。映画の盛り上げにも協力したい」と応えた。

 映画は10月末完成予定。青森市出身の俳優木野花さん、弘前市出身のタレントで元りんご娘の王林さん、深浦町出身の俳優草野とおるさんら青森県出身のキャストが多数出演している。年内に佐井村での完成披露試写会、年明けに青森、弘前、八戸の3市で上映会を行う方向で調整中。全国公開は来年5~6月を予定している。

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