ため池の水を全部抜いたら何が出た? 生態系に影響与える「肉食外来魚」コクチバスがなんと74匹も

岐阜県の長良川につながるため池で、肉食外来魚「コクチバス」が大量に見つかった問題で、在来魚への食害を防ごうと岐阜県は10月3日、ため池の水を全部抜き本格的な駆除に乗り出しました。

岐阜県郡上市の山奥にある、農業用のため池。

3日、60人がかりで捕獲していたのは北米原産の肉食外来魚「コクチバス」です。

「コクチバス」は繁殖力が強く、特定外来生物に指定されていますが、なぜ、山奥のため池に?

(岐阜県水産振興室・桑田知宣室長)
「コクチバスがやってくる経路が考えにくい場所。密放流と考えている」

「コクチバス」は一部の釣り愛好家に人気があり、岐阜県は何者かが違法に放流したとみています。

そして厄介なことに、ここで大量繁殖しているというのです。

ため池は曽部地川(そべちがわ)を通じて約3キロ先で長良川とつながっていて、ことし5月には美濃市の長良川でも1匹のコクチバスを確認。

このままでは、長良川の名産・アユをはじめとする生態系が脅かされる懸念があるのです。

とにかく早く対策を取らなければ…危機感を募らせた県が完全駆除を目指してとった対策が、3日行われた「池の水を抜く作戦」だったのです。

「コクチバス」は、どれほどまで繁殖しているのか?

池にわずかに残った水に網を入れ、たぐり寄せていきます。はたして?

いました!

コクチバスです。その後も次々に捕獲していきます。

「42.5センチ」

フナやイモリなどの在来種の姿もありました。そして…

「きょうは74匹コクチバスを駆除した」

3日は、稚魚から成魚まで74匹の「コクチバス」が駆除されました。

以前駆除されたものとあわせると、ここでは673匹が確認されたことになります。

(桑田室長)
「二度と放流されないように対策強化する。監視の目を増やす」

生育状況などから、「コクチバス」はおととし夏以降に違法に放流されたとみられ、県は今後、パトロールなどの対策を強化する方針です。

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