譲り受けた青龍 学校祭で勇壮に宙を舞う 高齢化で譲渡 諫早・金崎地区から長与・高田中へ

譲り受けた青龍で迫力ある舞いを披露する生徒=長与町立高田中

 西彼長与町立高田中(大串久隆校長、183人)は1日、恒例の学校祭を開いた。同校伝統の龍踊では、諫早市高来町金崎地区から今年6月に譲り受けた青龍が勇壮に宙を舞った。見守った同地区住民からは大きな拍手が送られた。
 金崎地区では長年、住民が地域行事などで龍踊を披露していたが、近年は高齢化などを背景に人が集まらず、披露できない状態が続いていた。本紙が4月、同地区が龍の譲渡先を探していると報じたところ希望が寄せられ、青龍、白龍、子龍がそれぞれ小中学校などに引き取られた。
 この日は、5月頃から稽古を重ねてきた3年生71人が龍踊を披露した。譲り受けた青龍と、同校手作りの白龍が生徒たちの手で力強く宙を舞った。招待された金崎地区の4人をはじめ、在校生や保護者ら200人以上の観客から拍手や「モッテコーイ」のかけ声が送られた。
 金崎龍踊り保存会長を長年務めた池田忠恕さん(98)は、新天地での青龍の勇姿を見届け「立派な舞で、若い人たちの力に驚かされた。涙が出るほどうれしかった」と感激を口にした。
 披露し終えた日髙珠代さん(15)は「高田中の伝統に加え、金崎地区の歴史も背負わせてもらった。頂いた青龍のおかげで迫力のある演舞ができた」と笑顔を浮かべた。

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