スマホから男性の連絡先削除させ執拗に結婚を要求…「ゆがんだ支配欲」と検察指摘 元交際相手ら女性2人をはさみで刺傷 ペルー国籍の被告は一部否認 

元交際相手の女性宅に侵入し、女性と姉をはさみで刺したとして、殺人未遂などの罪に問われたペルー人の男の初公判が広島地裁でありました。

殺人未遂と住居侵入、器物損壊の罪で起訴されたのは、住所不定・無職でペルー国籍のロヨラ・カワシマ・マヌエル・アブラアム被告(35)です。

起訴状などによりますと、アブラアム被告は2月、広島県呉市内に住む元交際相手の女性(当時19)の自宅に窓ガラスをたたき割って侵入。女性とその姉(当時27)にそれぞれ馬乗りになり、首をはさみで複数回突き刺すなどしたとされています。

4日の初公判でアブラアム被告は、起訴内容のうち2人への殺意や、馬乗りになった行為などを否認しました。その上で「姉には、見つかって『出ていけ』と言われ、パニック状態になり、けがをさせた。自分の手首を刺した際、女性にはさみを奪われそうになり、当たった」などと述べました。弁護側も「確固たる殺意はなかった」と主張しました。

検察の冒頭陳述によりますと、アブアラム被告は2022年11月にSNSで女性と知り合い交際を始めました。その後、女性の顔をつかんでスマートフォンの顔認証をして、知人男性の連絡先を削除させた上で、執拗に結婚するよう要求していたということです。検察は「ゆがんだ支配欲があった」とし「女性から別れを告げられ、全ての連絡手段をブロックされると、犯行に及んだ」と指摘しました。

裁判は5日に、論告求刑があり、判決は11日に言い渡される予定です。

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