【香港】禁輸を継続、処理水2回目放出で香港政府[社会]

香港政府で食品安全を担当する環境・生態局の謝展寰局長は4日、東京電力が福島第1原発処理水の2回目の海洋放出を5日にも開始することに対し、香港政府として海洋放出に反対する姿勢を改めて強調した。その上で、現在実施している10都県産の水産物への禁輸措置を継続すると述べた。

記者会見した謝氏は「日本政府が引き続き『核汚染水』を排出するなら、われわれに選択肢はない。10都県の水産物が香港に入ることを引き続き禁止し、香港の食品安全と市民の健康を守る」と発言。日本産水産物から基準値を超える放射性物質が検出されていない現状を踏まえて規制緩和の可能性を問われても「日本がやり方を変えないのであれば、近いうちに緩和する可能性は現段階で見いだせない」と否定的な姿勢を示した。

香港では8月24日以降、東京、福島、千葉、栃木、茨城、群馬、宮城、新潟、長野、埼玉の10都県を産地とする水産物の輸入が禁止された。一方で中国中央政府が日本の水産物を全面禁輸としたことには追随しておらず、中央の政策とは一線を画している。

香港政府食品環境衛生署食品安全センターは、日本産食品に対して実施した放射線検査の結果を平日に毎日公表しているが、4日発表分までの検査結果は全て「合格」となっている。漁農自然護理署(漁護署)による香港産水産物の放射線検査と、天文台(気象台)による香港近海の環境放射線モニタリングでも、これまでに異常値は検出されていない。

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