砺波市が天皇、皇后両陛下や各宮家に献上するチューリップ球根の箱詰め式は4日、同市大門の県花卉(かき)球根農業協同組合で行われた。70回の節目となった今年は富山オリジナル品種「白雲(はくうん)」や「とやまレッド」「桃太郎」など6品種4500個を、4年ぶりに直接宮内庁に持参して献上する。
5月末の県チューリップほ場品評会で上位入賞した6人の球根が11月9日に宮内庁に献上される。
農林水産大臣賞を受賞した井上博貴さん(砺波市)の「白雲」、北陸農政局長賞の高島宗雄さん(魚津市)の「とやまレッド」をはじめ、吉江正雄さん(高岡市)の「桃太郎」、吉岡公成さん(砺波市)の「黄小町」、城宝清幸さん(南砺市)の「バレリーナ」、島義彦さん(黒部市)の「ワールドファボリット」が用意された。
天皇皇后両陛下、上皇ご夫妻にそれぞれ1千個、秋篠宮さま、常陸宮さま、三笠宮妃百合子さま、寛仁親王妃信子さま、高円宮妃久子さまに500個ずつ献上される。
箱詰め式では、夏野修市長が「チューリップ球根で唯一皇室に献上しているプライドを守り、名実ともに全国一のチューリップ球根産地としての砺波市をPRしていきたい」とあいさつ。市の女性職員2人が袋に入った球根を丁寧に箱に収めた。
県花卉球根農協によると、今年産は暖冬の影響で生育が順調に進み、サイズが大きい球根が育つなど豊作基調で、猛暑による高温で管理面では苦労したが、出荷量は1157万球と平年並みだった。
石田智久組合長は「富山県産チューリップを届けられるのはうれしい。皇室の方々に富山で栽培した球根を植えていただき、春の訪れるを告げる花が咲いて国の安寧を感じてほしい」と話した。球根収穫感謝祭も行われた。献上品種6品種などは6~9日に砺波市のチューリップ四季彩館で開かれる球根まつり(富山新聞社後援)で販売される。