長崎くんち2023 「万歳」「才蔵」 栄町が人数揃い 演し物の仕上がりを披露する

眼鏡橋近くで披露された栄町の人数揃い=長崎市

 諏訪神社(長崎市上西山町)の秋の大祭「長崎くんち」の踊町が町内へ演(だ)し物の仕上がりを披露する「人数揃(にいぞろ)い」が4日、市内であり、本番の衣装を身にまとった出演者が観衆を魅了した。
 「阿蘭陀万歳(おらんだまんざい)」を奉納する栄町は、長崎銀行別館(同町)や市医師会館(同)などを回り、青色の衣装をまとった「万歳」と黄色とオレンジ色の服の「才蔵」が、かけたり跳ねたりしながら、見物客の笑いを誘った。市立諏訪小(諏訪町)では、児童らが「ヨイヤー」と息の合ったかけ声を上げ、出演者に拍手を送った。
 尾上重道自治会長は「場を踏むごとに主役4人が役にはまっている」と手応えを感じている様子。眼鏡橋で見物した同市江の浦町の自営業、赤坂伸子さん(60)は、2019年10月末に栃木県から移住。「来年は絶対に見たいと思いながら4年。待ちに待ったくんち。栄町はコミカルで子どもたちもたくさん出ているので見ていて楽しい」と話した。
 
◎人数揃(にいぞろ)い 長崎市歴史民俗資料館の学芸員、永松実さんによると、例年10月4日にある行事で、各踊町の出演者が本番通りの衣装を着用し、稽古を積んできた奉納踊りの総仕上げとして町内の人たちに披露する。江戸時代の人数揃いは現代と比べ、とても華やかで、親戚や知人を招き、飲食をしながら見物することもあったという。

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