「五島イノベーションセンター」設立へ 農産物の流通拠点に 福岡ソノリク、JAごとうなど 長崎

五島イノベーションセンターの設立を発表した福岡ソノリクの園田社長(前列右から6人目)ら=五島市中央町、観光ビルはたなか

 農産物運送業の福岡ソノリク(佐賀県鳥栖市、園田壽俊社長)やJAごとう(家永嘉弘組合長)などは4日、長崎県五島市で農産物の集出荷や長期貯蔵などを行う施設「五島イノベーションセンター」の設立を発表した。2026年の供用開始予定。同JAが生産を拡大する方針のサツマイモをはじめとした農水、畜産物の流通拠点をつくる。
 同社は同センターの事業主体となる。籠淵町の敷地約2万7千平方メートル内に集出荷や選別、特許技術を持つ冷蔵貯蔵機能などを備えた施設を整備。従業員の住居も併設する。
 同JAとは昨年度から契約を結んでサツマイモの栽培を始め、今年は約250トンを収穫する見込み。3年後には2千トンの産地づくりを目指す。昨年度収穫分は主にタイに輸出しており、今後も拡大する。
 同JAは、市内に点在する集出荷施設を同センターに集約する考えで、農産物のブランド化なども期待できるという。離島振興地方創生協会(東京)などと連携し、生産から加工、販売のバリューチェーン構築を目指す。
 市内であったキックオフ会には県市関係者や農家ら約80人が出席。園田社長は「五島の農水畜産物のブランド化を図り、輸出も大量にできる高品質の商品化を進めていこう」とあいさつ。家永組合長は「高度な冷蔵、冷凍貯蔵技術による有利販売、加工などの新たな商品づくりによって、さらなる農業の所得向上を目指す」と述べた。

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