「見事な戦略家」インテルのインザーギ監督をアリゴ・サッキ氏が絶賛「“欧州のサッカー”を実践している」

インテルのシモーネ・インザーギ監督がアリゴ・サッキ氏から絶賛された。イタリア『カルチョメルカート』が伝えている。

ゾーンプレスの生みの親として知られるサッキ氏。1980年代後半から90年代前半にかけてミランを指揮し、UEFAチャンピオンズカップ(現:チャンピオンズリーグ/CL)2連覇を成し遂げたイタリアサッカー界の生ける伝説だ。

インテルを率いるインザーギ監督へはこれまでも度々賛辞を贈っており、今回もイタリア『ガゼッタ・デッロ・スポルト』のインタビューで「見事な戦略家だ」と絶賛。3日のCLグループD第2節・ベンフィカ戦(1-0)での采配について語った。

「まずはインテルとシモーネを祝福する。試合の入りはまあまあだったかな? その後はリスクをかけて前に出始め、後半は素晴らしかった。1点をとってからも攻め続け、とにかく攻め続け、決して止まらなかった。良い姿勢だ」

「見落としてはならないのは、彼のチームはリスクへの対処としてボールを保持しているということ。持ってさえいれば、危険な場面を迎える機会は少なくなる。私はもちろん、欧州で当たり前となった認識だが、イタリアではどうだ? カルチョの全クラブがインテルと同じような選択はしないだろう?」

「ベンフィカにも同点ゴールのチャンスはあったのだ。だが、インテルはマルクス・テュラムのゴール後も後退しなかった…実に素晴らしい光景だ。守り始めていたら、何が起きていたかわからない」

インザーギ監督のアタッキング志向を称えたサッキ氏。これがチームマネージメントにも好影響を与えるのだという。

「監督キャリアの初期から見事な戦略家だったと思うね。説得力のある勝利と成長の両輪を望むなら、彼のやり方は正しいと言える。なぜなら、この積極的なスタンスが選手のモチベーション、勇気、自我を育むからだ」

「主導権を完全放棄し、ほんの数回のカウンターに頼っていたら選手たちはどうなる? サッカーでも人生と同じく楽観的に捉えることが重要なのだ。サッカーで楽観的になるにはフィールドを熟知すること。ゲームを読めるようになるのさ」

「私がシモーネのチームを好きなのは、彼らが“欧州のサッカー”を実践しているから。インテルは今やどんなクラブでも恐れる集団となった。ベンフィカ戦と同じ振る舞いを続けられれば、どこであろうと打ち負かすことだろう…11人全員が助け合うコンパクトなチームは私を興奮させてくれるよ」

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