カイセドの代理人が夏の移籍騒動を語る「とても複雑だった」

写真:第7節のフラム戦でブロヤのゴールを祝うカイセド(右)

今夏、ブライトンからチェルシーへ移籍したモイセス・カイセドは移籍市場を大きくにぎわせた一人となった。

8月にリヴァプールからはジョーダン・ヘンダーソンがサウジアラビアのアル・イテファクに、ファビーニョがアル・イテハドに移籍した。中盤の補強をすべくリヴァプールが白羽の矢を立てたのが、ブライトンに所属していたカイセドだった。しかし、リヴァプールからの1億1100万ポンド(約200億円)のオファーは実らず、それを超える1億1500万ポンド(約208億円)という金額でチェルシーへの移籍が決まった。チェルシーはリヴァプールの次のターゲットであったロメオ・ラヴィアも獲得し、結果的にリヴァプールは遠藤航とライアン・グラフェンベルフの獲得に至った。

カイセドの代理人を務めるマヌエル・シエラ氏は、この夏の目まぐるしい移籍市場で状況がどのように動いたかを語っている。エクアドルのYouTubeチャンネル『Futbol sin Cassette』の取材に応じたシエラ氏は、リヴァプールが1月から5月にかけてカイセドの獲得に動いていたが、夏のオファーは青天の霹靂だったと以下のように明かした。

「リヴァプールは常にモイ(カイセド)に興味を持っていた。実際、1月から5月までの数カ月間、私たちはミーティングを行ってきた。しかし5月以降、それ以上の進展はなかった。最初に(ブライトンから)言われたのは、『明日、リヴァプールにメディカルチェックを受けに行くように』ということだった。交渉どころか話もしていなかったので、私たちは反応に困った。合意もなく、許可も出さず、リヴァプールのメディカルチェックを受けろというのだ」

リヴァプールとの交渉の状況をブライトン側から何も知らされておらず、シエラ氏からすると驚きの展開だったのであろう。さらにシエラ氏は以下のように続けた。

「結局のところ、とても複雑だったんだ。ユルゲン・クロップから手紙をもらい、リヴァプールから電話がかかってくるのをと想像してみてほしい。(リヴァプールは)チェルシーと同じように世界最高のチームの一つだ。彼らは現在のチェルシーよりも確立され、安定したプロジェクトを提示した。2年先を見据えた非常に野心的なプロジェクトだ。しかし、チェルシーはずっと私たちの側にいて、ほんの1時間だけでいいから検討する時間をくれと頼んできた。彼らは1時間を与えられ、それが2日間の交渉になった」

リヴァプールから魅力的なオファーにより移籍が決まりかけたものの、カイセド陣営は長い間アプローチをしてきたチェルシーの誠意を感じており、チェルシーとブライトンのさらなる移籍交渉の場を設けた。その結果が実り、最終的にチェルシーへの移籍が決まったのだという。

「シーズン初戦がチェルシー対リヴァプールという難しい状況であったため、対戦日に提示するのは少し気まずかっただろう。結局、試合が終わった後に移籍の許可が出て、彼はメディカルチェックをパスし、月曜日には発表することになったんだ」

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