県職員給与上げ勧告 県人事委・月例給、ボーナスとも2年連続

山形県庁(資料写真)

 県人事委員会(安孫子俊彦委員長)は5日、2023年度の県職員給与について、月例給とボーナス(期末・勤勉手当)をともに引き上げるよう吉村美栄子知事と森田広県議会議長に勧告した。引き上げ幅は月例給が0.9%、ボーナスは0.1カ月で、ともに2年連続のプラス。高校卒業程度の行政職の初任給引き上げは1万2千円と過去最大となる。民間企業との格差解消と人材確保を視野に20代までの若年層に重点を置いた。

 県人事委事務局によると、全ての給料表の月額を500~1万2千円引き上げる内容。高卒程度の行政職の初任給引き上げはこれまで最大だった1990年度の1万700円を上回った。大卒程度の初任給の引き上げは1万1千円で90年度の1万6800円に次いで2番目。獣医師の初任給調整手当は2万円引き上げて5万円とする。

 月例給は4月にさかのぼり、差額がまとめて支給され、ボーナスは12月の期末・勤勉手当に配分される。行政職平均(平均年齢42.4歳)の23年度年収は9万1千円増え、602万3千円となる。県人事課は勧告の全面実施で人件費が19億5千万円増えると試算している。

 企業・事業所の規模が50人以上の県内550事業所から143事業所を無作為に抽出、同じ職種や役職、学歴、年齢を比較・検証。今年4月分の民間給与は月額36万5024円、県職員給与は36万1760円で、民間の方が3264円(0.9%)高かった。ボーナスは昨年8月~今年7月の直近1年間で比較し、民間の4.44カ月分に対し、県職員は4.35カ月分だった。

 勧告を受け、吉村知事は「趣旨を尊重し、国や他県の取り扱い、財政状況などを勘案して適切に対処する」とのコメントを出した。

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