さいたま国際芸術祭、あす7日に開幕 多彩なアートを企画 本会場は旧市民会館おおみや、毎日展示に変化が

さいたま国際芸術祭2023のメイン会場となる旧市民会館おおみや=2022年3月11日、さいたま市大宮区

 さいたま国際芸術祭2023が7日、開幕する。テーマは「わたしたち」。埼玉県さいたま市大宮区の旧市民会館おおみやをメイン会場に、市民参加型プロジェクトを含め多彩な企画が行われる。会期は12月10日までの65日間。

 旧市民会館おおみやは1970年1月に開館。昨年3月に52年の歴史に幕を閉じた。入学式、卒業式、成人式のほか、コンサート、人気番組の公開生放送が行われ、地元市民の思い出がたくさん詰まっている。閉館前には地元の有志が実行委員会をつくり、お別れイベントを開いた。

 芸術祭のディレクターを務める現代アートチーム目[mé]の南川憲二さん(44)は7月の記者会見で、「長く市民に親しまれてきた場所。かつて利用していた市民団体も関わり、劇場をどんどん開いていく」と説明した。詳細は明らかにされていないが、舞台稽古やコンサートの準備なども公開する。展示される現代アート、盆栽、彫刻の作品を連日展示替えする予定。会場が日々変化し、その日の体験が固有の体験になるという。

 お別れイベントの実行委員会事務局長を務めた大宮浅間郵便局長の新井敏史さん(49)は「一度閉館した市民会館おおみやが息を吹き返したような、楽しさがある」と感想を語った。国際芸術祭は現代アートを身近に感じてもらうこともテーマの一つ。新井さんは「旧市民会館おおみやを中心に、まちがアートで彩られ、広がりが生まれたらうれしい」と話していた。

© 株式会社埼玉新聞社