干支の彫刻触れてみて 南砺の髙瀬神社 さい銭箱、鈴緒を新調

新しい賽銭箱の前で鈴緒を振る親子=南砺市の髙瀬神社

 南砺市の越中一宮髙瀬神社は、拝殿前のさい銭箱と鈴を鳴らす麻製の綱「鈴緒(すずお)」を新調した。50年ぶりの社殿銅板屋根の葺き替え工事に合わせた記念事業で、同市の井波彫刻師11人が制作した干支(えと)の彫刻12個が飾られ、触れるのが特徴で、地元の伝統工芸を発信し、神社の新しい魅力を目指す。

 鈴緒は3本あり、今年の干支(えと)「卯」の彫刻は中央、昨年の「寅」は左側、来年の「辰」は右側に取り付けられている。残り9体の干支の彫刻は、さい銭箱に欄干の擬宝珠(ぎぼし)のように飾られた。毎年干支が変わると、付け替えることができる。髙瀬神社の主神「大国主(おおくにぬしの)命(みこと)」の伝説に登場するウサギやネズミ、大黒様が持つ打ち出の小づちの彫刻も施された。

 6日は七五三で訪れた家族が彫刻を触って楽しんだ。制作を担当した彫刻家南部白雲さん(72)は「触れる井波彫刻をそろえ、参拝をより楽しいものにしたかった」と思いを話した。

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