SNSで募集見つけて…1都3県で被害総額は4132万円 キャッシュカード窃盗など29件、容疑の55歳男を追送検

川口署=埼玉県川口市西青木

 埼玉県内を含む1都3県で詐欺事件に関与したとして、川口署は6日、窃盗の疑いで、千葉県柏市西山2丁目、無職の男(55)=窃盗罪などで公判中=をさいたま地検に追送検し、捜査を終結した。同署はこれまでに払い出し盗など29件(被害総額約4132万2000円相当)を確認、いずれも立件した。

 追送検容疑は昨年12月16日午前10時ごろ、神奈川県横浜市緑区の男性=当時(85)=方に警察官を名乗り「口座から現金が引き出されている」などと電話をかけ、同日午後1時ごろ、男性方を訪れキャッシュカード3枚を受け取り、あらかじめ用意した封筒にすり替えて窃取。同日と翌17日にかけて3回にわたり、同区内と東京都港区の金融機関のATMで計約270万円を不正に引き出し窃取した疑い。「キャッシュカードが入った封筒を盗んだのは間違いない」と容疑を認めているという。

 同署は、昨年12月に同様の手口で入手したキャッシュカードから現金約180万円を窃取したとして、男を今年1月に同容疑で逮捕。現場周辺の防犯カメラなどの精査によって関与を特定した。

 男は出し子のほか、オレオレ詐欺の受け子なども行っており「交流サイト(SNS)で高額バイトの募集を見つけ、出し子などを始めた」と説明。多額の借金があり、返済に必要だった旨の供述をしているという。

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