受け子、出し子など網羅…詐欺など63件、容疑の21歳男を追送検 埼玉など1都1道4県、被害総額は約7800万円

川口署=埼玉県川口市西青木

 埼玉県警川口署は6日、詐欺の疑いで、住所不定、無職の男(21)=窃盗罪などで公判中=をさいたま地検に追送検した。同署は昨年8月6日から同10月20日の間に、埼玉など1都1道4県で発生した詐欺事件10件と窃盗事件53件(被害総額約7800万円)を確認。うち、詐欺事件1件を追送検し捜査を終結した。

 追送検容疑は氏名不詳者と共謀の上、昨年8月6日午前10時ごろから数回、東京都板橋区の女性=当時(93)=に息子などを名乗り、「中学時代の友達とインサイダー取引に手を出したことが会社にばれた」などと電話。同午後3時20分ごろと同6時55分ごろの2回、女性方や朝霞市内の路上で現金計550万円をだまし取った疑い。

 同署によると、男は川口市内の70代女性のキャッシュカードを使い、現金60万円を引き出した窃盗容疑などでこれまでに3度逮捕されていた。男はオレオレ5件、預貯金1件、電子計算機使用5件の詐欺計10件とカードをすり替えて盗むキャッシュカード詐欺盗24件、現金を引き出す払出盗29件の窃盗計53件に関与していた。「荷物を運ぶ」など交流サイト(SNS)上の高額バイトの書き込みに応募したとみられる。

 男は容疑を認め、動機に関しては「仕事を辞めて収入がなくなり、生活のためにお金を稼ぎたかった」と供述しているという。

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