日本とは真逆!欧州だと居残り練習すると怒られる…吉田麻也 「日本の労働時間が長いのも、結果じゃなくてやった分で評価する」

これまでオランダ、イングランド、イタリア、ドイツ、そして、アメリカでプレーしてきた吉田麻也。

TOKYOFMをキーステーションに放送中の「チャレンジ&カバー」で、夏の甲子園大会で優勝を果たした慶應義塾高校野球部の練習時間が短いことについて聞かれると、こんな話をしていた。

とにかく、日本のスポーツの指導はね、練習試合が長いんですよ。

ヨーロッパとか海外の監督は決められた時間のなかで、クオリティ・質を上げていこうっていう考え方なんだけど、日本は質じゃなくて量でそれをカバーしようとするので。

日本の労働時間が長いっていうのもそうだと思うんですけど、結果じゃなくてやった分だけで評価する。

居残り練習してることが偉いとかって、そういう風に考えられているので、それが欧州とは考え方が違うんですよね。

だから、いつも僕も日本の練習長いなぁって思いますし、Jリーグとかの話を聞いていても、それは選手がうまくなるためっていうよりかは監督がどっちかというと全部やったって思いたいから、やらせてんじゃないかなっていうようなことが多いなぁって個人的には思います。

とはいえ、逆に言うと、育成年代、こういう学生の時に何でもかんでも効率効率ってやっちゃうと効率でしか動けない人間になっちゃって、踏ん張れない大人になっちゃうんじゃないかなって僕も考えていて。

学生の時って本当に理不尽なことが沢山あったじゃないですか?なんでこんなことさせられんだとか、なんでこんなのやんなきゃいけないんだっていうのを乗り越えて、精神的に強くなるのかなぁっていうのを思ってるんです、僕は。

だから、ある程度は学生時代にそういう理不尽なことを乗り越える力を身に着けることも必要なのかもしれないなぁっていうのも思っているので、これに関しては半々。

僕が長くやったヨーロッパでは90分以上トレーニングすることはまずないですね。それは多分育成年代も一緒で。

ていうのは、90分が集中力の限界っていうのと、あとはサッカーは90分だから、90分のなかで全力を出し切ることが大事っていわれていて。

監督によっては、例えば(選手が)自主トレをしたいって言ったら、お前、俺の練習じゃ満足できないのかと、なんでお前、俺の練習のなかで自分の持っているものを全部出しきらないんだって逆に怒られるパターンもある。

日本だと真逆じゃないですか、自主トレなんでしないんだってなるじゃないですか。お前、足りないところばっかりだろ、なんでやらないんだってなるんだけど。

ヨーロッパとかだと限られた、与えられた時間で自分のベストを尽くせよと。

80(%)でやるから、余力があって、自主トレするんじゃないのって考えられるんで。

だから、僕も最初ね、それをすごい戸惑ったんですよね、日本から行く時。

いつも残ってやりたい、走りたいって言ってたら、なんでだって怒られてたんですけど。

いまはやっぱりそれを出し切ることを、限られた時間のなかで強度も質も上げてくっていうのを意識していますね。

日本では量だが、欧州では質が重視されるという。

【関連記事】「吉田麻也と同僚だった最強ベストイレブン」が豪華すぎる

意味なく長い練習をしているケースも日本ではあるとしつつ、そういった理不尽さを学生時代に経験しておくことで精神的な強さが身につくとも感じているようだ。

© 株式会社ファッションニュース通信社