トッテナム指揮官、“重大ミス”起こしたVARの廃止を問われ「今のままではね」…精密チェックの“副作用”にも言及「ラグビーじゃないんだ」

写真:トッテナムを率いるポステコグルー監督

現地時間9月30日に行われたプレミアリーグ第7節のトッテナムvsリヴァプールにおいて、審判間のやりとりのエラーでリヴァプールに所属するコロンビア代表FWルイス・ディアスのゴールが取り消された。この件を受けて、トッテナムのアンジェ・ポステコグルー監督がビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)について言及している。

トッテナム戦の34分、リヴァプールはDFラインの裏に抜け出したディアスがゴールネットを揺らして先制したかに思われた。だが、VAR担当とリプレイオペレーター、ピッチ上の審判の間で情報伝達の人的ミスが生じ、ディアスの正当なゴールはオフサイドとして処理されて試合再開となってしまった。結局、試合は2-1でトッテナムの勝利に終わったが、何とも後味の悪い形となってしまった。

イギリスメディア『BBC』によると、記者会見に臨んだポステコグルー監督は、“重大ミス”を起こしたVARについて「廃止すべきだと思うか」と尋ねられると、次のように答えた。

「現在のシステムのままでは、そう思うだろうね。私たちにとって、あの技術を適用するのはまだ早いのかもしれない」

一方、ポステコグルー監督は「テクノロジーに反対するつもりはまったくないよ」ともコメント。また、VARによる精密なチェックがもたらす“副作用”についても触れている。

「基本的にVARはエラーをなくすためのものだと思っている。ただ、今はイエローカード、ファウル、コーナー、すべてが精査される時代だ」

「私たちがやっているのはラグビーじゃないんだ。私が常にイングランドのサッカーに持っていた好感は、中断の少ない熱狂的なペースにあった。なぜそれを排除しようとするんだい?」

「現在のテクノロジーが私たちのゲームに適していないと思っている。私の意見が少数派であることは分かっているし、私の役割はどのような感情があるにせよ、それを受け入れることだ」

なお、プロフェッショナル・ゲーム・マッチ・オフィシャルズ・リミテッド(PGMOL)は、ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)の新たなガイドラインを導入する模様。今後は、アシスタントVARにチェックの結果を確認してから、ピッチ上の審判に最終的な判定を伝えることになるという。この新ガイドラインは、早速今週末の試合から現場で実施される。

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