冬眠前クマに注意、岩手県内の被害増 ブナ大凶作で行動拡大か

工藤和吉さんが襲われた現場。畑にはクマとみられる足跡が生々しく残る=6日、八幡平市姥子石

 岩手県内でクマの人的被害が大幅に増えている。本年度は4日現在で31件32人に上り、記録が残る1993年度以降の最多を更新。今月は花巻市や八幡平市、雫石町で5人が被害に遭った。紅葉やキノコ採りで入山する機会が増える時季だが、冬眠前のクマが活発に動き回るタイミングとも重なる。今年はブナの実が大凶作の見込みで、山奥から行動範囲を広げている可能性もあり、専門家は一層の警戒を呼びかける。

 花巻市では3日から親子とみられるクマ3頭が市街地に迷い込んでいる。6日は成獣1頭をわなで捕獲した。人的、物的被害は出ていないが、子グマ2頭は近くに潜んでおり、市や市猟友会が捕獲を試みている。

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