ウインターカップ県予選特集 バスケットボール女子(1) 県内無敗の大分が攻撃に爆発力増す 【大分県】

高校バスケットボールの集大成の舞台である全国高校選手権大会(ウインターカップ)の季節がやってきた。出場権を懸けて戦う県予選は今月22日に始まる。ここでは実力が拮抗(きっこう)する女子のシード4校の現在地を探る。第1回は、3年連続3回目の優勝を狙う第1シードの大分。

【チームパラメーター】

オフェンス 10

ディフェンス 8

リバウンド 7

シュート 10

3点シュート 9

高さ 6

新チームになって県高校新人大会、県高校総体と主要大会で優勝した大分は頭一つ抜けている。3年生が土台となり、この1年間で成熟した印象だが、来年、再来年を見据えて下級生の強化を進めた。井場田卓監督は「インターハイ(全国高校総体)までは3年生を中心に6、7人のメンバーで戦っていたが、今は1、2年生が戦力として成長し、先発メンバーを入れ替えても同じように戦えるようになった」と語る。

攻撃はエースの緒方梨乃(3年)の軸となることに変わりはないが、竹谷優希(同)が経験を積み、試合をコントロールできるようになった。さらに、懸念材料であった3点シュートは、ノーマークであれば誰でも狙えるよう練習し、試合では「シュートを打てるチャンスで打たなかった選手は消極的なプレーとみなして交代させた」(井場田監督)ことで、積極的にシュートを狙うようになった。

選手層が厚くなった大分

毎朝のシュート練習で力を付け、迷いなくシュートを打つことで成功率が格段に上がった。全員がシューターとなったことで、緒方頼みの攻撃は少なくなり、試合ごとに主役が変わる爆発力のあるチームになった。高確率でシュートを決める阿部柚結(3年)は「打ち続けることでアーチ(シュートの角度)を調整できるようになった。自分のリズムでシュートを打てば入る自信はある」と誇る。

守備はオールコートで強度の高さを求め、ベンチメンバー全員が戦力であるため、コートに立てばフルパワーで走り抜く。緒方は「今は誰が試合に出ても同じことができる。ペース配分を考えず最初からパワー全開で力を出せるようなチームになった。私たちも(1つ上の)先輩たちのように県内負けなしでウインターカップに出たい」と王者のプライドをのぞかせた。

3点シュートの成功率が上がった阿部柚結

(柚野真也)

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