ガザ危機、死者計910人超に イスラエル、異例の被害

パレスチナ自治区ガザから発射されたロケット弾を迎撃するイスラエルの防空システム=8日(ロイター=共同)

 【エルサレム共同】パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスとイスラエル軍の大規模戦闘で、イスラエルの民放「チャンネル12」は8日、イスラエル側の死者は600人になったと報じた。ガザ保健当局は313人が死亡したと発表。双方の犠牲者は民間人を含め計910人超に上った。いずれも攻撃継続の構えでガザ情勢が一層悪化するのは必至。イスラエル政府は治安閣議で「ハマスの軍事力、統治力を破壊する」と決定した。ガザへの地上侵攻に踏み切るかどうかが焦点だ。

 武装勢力との戦闘でイスラエル側にこれほど大きな人的被害が出るのは極めて異例。イスラエルのネタニヤフ首相は7日の治安閣議で「長く困難な戦争に着手する。目的完遂まで制限も中断もない」と強調した。

 イスラエル軍が戦闘目標を激しく攻撃する地上侵攻を行えば、ガザで約2250人、イスラエル側で約70人が死亡した2014年以来となる。軍は「あらゆる選択肢を排除しない」としている。

 ハマスは8日もロケット弾攻撃を継続。イスラエル軍もガザ空爆を続けた。

イスラエル軍の空爆で倒壊した建物の下を捜索する人々=8日、パレスチナ自治区ガザ(ロイター=共同)

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