経済対策でAI開発強化 首相、中小企業の導入支援

国連の会議「インターネット・ガバナンス・フォーラム」であいさつする岸田首相=9日午前、京都市

 岸田文雄首相は9日、月内にも策定する経済対策に人工知能(AI)開発の強化や、中小企業と医療分野などでAIの導入を支援する予算を盛り込む方針を表明した。京都市で開催中の国連の会議「インターネット・ガバナンス・フォーラム」(IGF)に出席し、AIを議題とする会合で明らかにした。

 AIを巡り「国際的なルール作りをけん引する」とも述べた。AI開発者向けの国際指針と、具体的に守るべき取り組みを示す行動規範について、月内にも開く先進7カ国(G7)首脳オンライン会議で合意を目指す。利用者を含む全てのAI関係者を対象にした指針は、年末までに策定すると改めて説明した。

 国連に加盟する175以上の国・地域から参加があったIGFでの議論を踏まえ、新興国や発展途上国にも配慮したルール作りを進める。日本はG7議長国として国際ルール作りの枠組み「広島AIプロセス」を主導する。

 会合に先立つIGFの式典では「自由で分断のないインターネットは、人類のさらなる発展に不可欠だ」と指摘した。

© 一般社団法人共同通信社