●あいの風、IRいしかわ鉄道連携
●富山、石川県 並行在来線の利用促進
富山、石川両県は9日、自転車を列車内にそのまま持ち込める「サイクルトレイン」を実証運行した。並行在来線の利用促進を狙った両県連携事業で、参加者は列車で県境をまたぎ、それぞれのサイクリングコースを疾走した。来春の北陸新幹線敦賀開業後は北陸三県への拡大や、第三セクター3社連携のさらなる誘客策を検討する。
初めての取り組みで、あいの風とやま鉄道、IRいしかわ鉄道を活用し、自転車用ラックなどを備えた貸し切り車両によるツアーを組んだ。石川発富山コースは津幡駅で乗車、入善駅で下車し、富山湾岸サイクリングコースを進み富山駅から戻るツアー、富山発石川コースは富山駅北口で乗車、津幡駅で下車し、河北潟、いしかわ里山里海サイクリングルートを走り津幡駅から戻るツアーを用意した。
入善駅では午前10時前、20~70代の参加者20人が自転車を持ってホームに降り立ち、雨の中をサイクリングに出発した。黒部市の魚の駅生地、魚津市の海の駅蜃気楼で休憩、滑川市のほたるいかミュージアムで昼食を取るなどして、約50キロの行程を満喫し、午後4時には富山駅に着いた。
3カ月前から夫婦でサイクリングを楽しむようになり、2人で参加した金沢市西泉5丁目、南陽一さん(50)は「まだ初心者だけれど、遠出ができる絶好のチャンスと思った。スムーズに乗り降りでき、北陸だけでなく広域でサイクルトレインの仕組みができれば、楽しみも広がる」と笑顔を見せた。
富山発石川コースには13人が参加した。両県では参加者アンケートなどを基に成果を検証し、来年度以降の計画に反映させる。
サイクルトレインについては8月、富山市で開かれた富山、石川、福井3県知事と北陸経済連合会の懇談会で馳浩石川県知事が将来的に福井を含め、北陸三県への拡大に意欲を示した。