木場潟にクマ、男性襲撃 作業中の60代、顔など負傷

クマを捜索する関係者=11日午前11時50分、小松市の木場潟公園東園地

 11日午前10時40分ごろ、小松市の木場潟公園東園地で作業中だった60代男性がクマに襲われ、顔などを負傷した。市消防本部によると、男性はドクターヘリで金沢市の石川県立中央病院に搬送された。命に別条はないとみられる。猟友会などが周辺を捜索したが、午後0時半現在、クマは見つかっていない。県内では9日朝、金沢市の大乗寺丘陵公園で男性(84)がクマに引っかかれて負傷しており、県などが注意を呼び掛けている。

 小松市消防本部によると、負傷した男性は作業中に襲われた。もう1人いた作業員は無事で、この作業員が119番通報した。猟友会員や小松署員、市消防職員が付近を捜索したが、痕跡は見つかっていない。

 関係者によると、襲われた現場は東園地の丘の頂上付近で、子ども向けの遊具がある。男性以外にけが人はいないとみられる。園内を覆う獣害防止フェンスの一部に電流が流れていなかったという情報もある。

 園内にいた小松市沖町の西東千恵子さん(81)は「散歩に来たら警察の人に帰された。夫と毎日散歩している場所であり、ここまでクマが来るなんて怖い」と話した。クマ出没を受け、木場小は11日午後1時から同校グラウンドで予定していた創立150周年記念植樹式を中止した。

 今年、県内のクマの目撃件数は9日時点で149件(前年同期226件)となっており、市町別で最も多いのは加賀市の49件(20件)、次いで金沢市が38件(62件)となっている。小松市は3件(16件)のみで、5月以降の目撃情報はなかった。人身被害は9日の金沢市長坂町に続いて2件目となる。

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