相次ぐ金属の窃盗…静岡市では神社屋根から銅板持ち去られる被害 地元からは怒りの声

静岡市の神社で屋根などにあった銅板が何者かに剥がされ、盗まれていたことがわかりました。県内で相次ぐ金属の窃盗。地元からは怒りの声が上がっています。

静岡市駿河区にある「小坂熊野神社」。階段を上がると歴史を感じる社殿が待ち構えていますが、よく見ると…ところどころ、屋根などに張られていた銅板が剥がされてしまっています。

(小坂熊野神社 総代 糟屋 訓敏さん)

「考えられない、こんな場所で、ただびっくり」「悲しい、怒りを通り越してあきれてしまう」

こう話すのは、神社総代の糟屋 訓敏さん。10月1日、屋根の銅板が剥がされていたことに気づきました。

(小坂熊野神社 総代 糟屋 訓敏さん)

「下の方から順番に手の届くところが(剥がれている)、簡単には剥がれないから全部取れずにあきらめたのではないか」「罰当たりなことをよくするなと」

被害にあったのは、社殿だけでなく、境内の入り口付近にある天満宮の壁や屋根の銅板も。修繕には200万円ほど費用がかかる見込みで、今後、地元住民と相談して修繕を進める予定です。

(小坂熊野神社 総代 糟屋 訓敏さん)

「元の状態に戻すが、材料は検討しないといけない、銅板でまたこんなことになっても」

このところ、銅でできた橋名板の窃盗も県内で相次いでいることから、糟屋さんは「販売目的で誰かが狙ったのではないか」と推測しています。地元の自治会は、既に警察に被害届を提出していて、今後、具体的な防犯対策を考えていきたいと話しています。

<スタジオ解説>

(伊藤 薫平アナウンサー)

Q:銅の窃盗、その背景には何があるんでしょうか。

(杉本 汐音 記者)

大きな要因は銅の価格が上がっていることだと考えられます。

(伊藤 薫平アナウンサー)

Q:実際どのくらい上がっているんでしょうか。

(杉本 汐音 記者)

これは、銅の国内での相対取引の目安となる価格をグラフにしたものですが、数年前から急に上がっているのがわかります。現在、銅は1キロあたり1200円ほどで取引されていますが、これは、5年前と比べると2倍近い値段となっています。

(伊藤 薫平アナウンサー)

Q:ここ数年でかなり急激に値段が上がっていますが、それにはどのような要因があるんでしょうか。

(杉本 汐音 記者)

銅の需要が急激に高まっていることがあると考えられます。銅は電気を通しやすく電子部品には欠かせないものですが、コロナ禍で世界的にリモートワークが普及したことや「脱炭素社会」に向けて、銅線を大量に使う電気自動車の市場が拡大したことなどで、銅の需要がここ数年世界的に高まっているため、価格が上がっていると考えられます。こうしたことから、銅が狙われていて、人目が付かず、防犯カメラもないような盗みやすい場所を選んで犯行に及んだものとみられます。

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